2018年 国内男子ツアー賞金ランキング
2018年 カシオワールドオープンゴルフトーナメント
期間:11/22〜11/25 場所:Kochi黒潮カントリークラブ(高知)
41歳・近藤智弘が賞金シード復帰「少しでも長く」
◇国内男子◇カシオワールドオープンゴルフトーナメント 最終日(25日)◇Kochi黒潮カントリークラブ(高知)◇7315yd(パー72)
「生涯獲得賞金25位以内」の資格で今季ツアーに参戦した近藤智弘が、2年ぶりの賞金シード復帰を果たした。腰痛などの影響から昨年末にシードを喪失。背水の陣で挑んだ一年を賞金ランキング65位(出場義務試合数に満たない3人を除く68位までがシード獲得)で終え、胸をなでおろした。
<< 下に続く >>
運命の最終ラウンドは「73」。通算3アンダーの40位タイでホールアウトした41歳は、クラブハウスの速報版に釘付けになった。「(他選手にランキングで)もう、抜かれることはないんですか…?」。安全圏を確保したと知るや「ひとまず」と息をついた。
今季は6月「日本ツアー選手権森ビル杯」から2試合連続で5位に入ったが、その後成績が振るわなかった。シードのボーダーラインが近づき、重圧のかかった今大会までの5試合ですべて決勝ラウンドを戦い抜いた。「こういう風に最後まで(厳しい争いに)なるとは思っていなかったというのが正直なところ」。序盤戦は腰痛が回復せず、痛み止めを服用して臨んだラウンドも多かったが、土壇場で実力者たるゆえんを見せつけた。
専大卒業後、2001年末にシードを取ってから第一線で戦ってきた。14年までにツアー6勝。今年まで「ウェイティング(待機選手)だったり、推薦をもらったりしたこともなかった」。結果的に21試合でプレーできたが、各大会の前週末に出場権が決まることもあり、今までにないスケジュール管理を強いられた。
「去年はメンタル的にもかなりやられた」と振り返る中で、支えになる言葉があった。ツアー通算10勝、現在では解説者も務める田中秀道が言った。「現状に満足はしていないだろうけれど、落ちたところから這い上がるのはすごく難しい。俺は上がれなかった。その難しさの中で(近藤は)よく頑張ってるよ」。再起の道を歩んでいる実感が少しでも沸いた。
今季は20代の若手選手が次々と初優勝を飾り、世代交代の波も感じている。同世代の星野英正、矢野東、高山忠洋らが表舞台に立つ機会が減っている。「自分も含めて、いろんな変化があって苦しいところにいる」と戦友たちを思いやった。「でも、(50歳の)谷口徹さんが優勝したり、年上の先輩も頑張っている。ゴルフは息の長いスポーツ。僕もそこから外れないように、必死に、少しでも長くやりたい」。年老いてももがく姿は、きっと周囲に訴えるものがある。(高知県芸西村/桂川洋一)