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「バッチコーイ!」時松隆光は先輩直伝のチップインに興奮

◇国内男子◇カシオワールドオープン 初日(23日)◇Kochi黒潮カントリークラブ(高知)◇7315yd(パー72)

腕試しをするのには絶好の場面だった。後半3番、グリーン右奥のラフからの第3打。「ユルめず、しっかりと」。SWを勢いよく振りぬいて放ったボールは、ふわりと舞い、下り傾斜を伝ってカップに消えた。時松隆光のこの日4つ目のバーディは、3人が並ぶ4アンダー首位タイ発進スタートの大きなポイントになった。

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「自分はロブショットがヘタで」。10月の「ブリヂストンオープン」でツアー2勝目を飾った24歳の悩みは、ボールを高く浮かせてグリーンに落とすアプローチ。指導を仰いだのは、池田勇太谷口徹。この秋から一緒に練習ラウンドを行う機会が増えた池田には2日前に「球が強すぎる、球を殺せ」とインパクトでの緩みを指摘され、谷口には前日「ようボールが転がるなあ。何してんねん」と、ヤジられながら“講義”を受けたばかりだった。

何度も練習を繰り返し、自分なりに習得したコツは「ロブショットは、アウトサイドからインサイドにクラブを抜くものだと思っていた。でも、2人ともアウトから入れるわけでもなく、少し“カチ上げる”イメージだった」

ノーボギーのまま3アンダーで迎えた3番のシーンは「教えてもらった通りの“バッチコーイ!”のライだった」という。およそ12yd先のエッジギリギリを狙って、ターフを遠慮なく削り、最高の結果を得た。謙虚な青年もこの日ばかりは「自分が成長した一打でしたね」と興奮気味に語った。

ジュニア時代はナショナルチームメンバーとしてならしたが、プロ転向後シードを獲得するまでに5シーズンかかった。ステップアップするたびに、親交を深めたり、試合で一緒にラウンドしたりする先輩プロのレベルが変わってくるのを実感する日々。歴代の賞金王に技を教わり、今週は「石川(遼)先輩と一緒にラウンドできて、あれだけのギャラリーの中でプレーできる」と語る。「常にこの位置で回れるような活躍をしたいです」というのもモチベーションだ。(高知県芸西村/桂川洋一)

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