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水玉模様の勝負服で!台湾のシンデレラボーイが日本初勝利

◇国内男子◇アジアパシフィック ダイヤモンドカップ 最終日(25日)◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪府)◇7320yd(パー70)

“シンデレラボーイ”と呼ぶのにふさわしい逆転劇だ。2アンダーの13位タイから出たセン世昌(台湾)が8バーディ「62」で回り、通算10アンダーとして逆転優勝を飾った。アジアンツアーは7月の「キングスカップ」に続く2勝目。日本ツアーは初勝利で、台湾勢としては2006年の葉偉志以来のタイトル獲得となった。

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3日目を終えてトップとの差は6ストローク。最終組の5つ前の組のプレーは「あまりに差があったので、トップ5にでも入れたらいい。1打に集中していこう」という無欲を貫いたものだった。3つスコアを伸ばして折り返すと、13番でバンカーからの3打目を直接カップに放り込むなどバックナインで5バーディ。「アイアン、1W、パターとすべて良かった。本当にうれしい」という顔もまだ驚きに満ちていた。

現地での発音はチャン・シーチャン。自転車のロードレースに打ち込んでいた幼少期を経て、現在はティーチングプロの父の「レースは危険」という勧めから、15歳でゴルフの道を歩みだした。アマチュア時代の2006年にはキム・キョンテ(韓国)が個人・団体で金メダルを獲得した「アジア大会」で3位となったが、20歳でプロ転向してからは下積みが続いた。

台湾のローカルツアーなどで腕き、アジア下部ツアーで通算5勝。才能が開花したのは30歳で迎えたこの夏。7月にアジアンツアーで初勝利を飾り、台湾ツアーでもその後1勝。そして今大会で日本ツアーも制した。これまで、すべての優勝シーンは白地に紺の水玉模様の勝負シャツ。「キングスカップで勝ってから、欧州ツアーの大きな大会にも出て自信が出てきた」と、まさに階段を駆け上がっている最中だ。

日亜両ツアーを兼ねた共同主管試合での優勝で、アジアンツアーは年間複数回勝利による来年からの5年シードを獲得。日本でも2018年末までのシードを確保し、試合後すぐにツアーメンバーへの登録を済ませた。次週はアジアの「マーキュリーズ台湾マスターズ」で凱旋し、翌週「HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF」で再び日本ツアーに参戦することを決めた。11月末には台湾代表として「ワールドカップ」にも出場する。

いまある夢のひとつは欧州ツアーでシード権を取ること。渡り歩く“世界”はまた少し広くなった。(大阪府茨木市/桂川洋一)

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