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恵みの雷雨に鯛茶漬け 石川遼、5打差圧倒で復帰初勝利

国内男子ツアー「RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント」最終日を2打差リードの単独首位からスタートした石川遼が、5バーディ、2ボギーの「69」をマーク。土砂降り、さらには雷のため約3時間の中断を挟んだ戦いで、2位に5打差をつける通算15アンダーでゴールテープを切った。腰の故障からの復帰2戦目で、今季初優勝を挙げた。

出だしの1番から5ホール連続でグリーンを外したが、巧みなショートゲームを繰り出し、すべてパーで通過。同じ最終組から2打差を追ったブラッド・ケネディ(オーストラリア)と小田龍一はボギーを先行させ、伸ばさずして後続との差は開いた。さらに石川は6番(パー5)、7番と連続で伸ばし、2オンに成功した9番(パー5)もバーディとして通算15アンダー。後続に5打の大量リードを築き、サンデーバックナインに入った。

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しかし、雨脚が強まり流れが傾きかける。10番ではラフを渡り歩き、2mのパーパットを外してこの日初めてのボギー。続く11番も1Wで左の林に打ち込んだ。ここで、雷雲接近により2時間58分の中断。「結果的に、悪い流れを断ち切ることができた。ラッキーだったと思う」。4打差に詰まり、さらにピンチの中で聞いた競技中断のホーンが、石川にとって恵みの転機となった。

中断中には、鯛茶漬けを3杯も平らげた。リラックスして過ごし「多少、気持ちを切り替えられた」。再開後の2打目のライはベアグランドながら前方が開けており、165ydをPWでピン右6mに乗せ、2パットのパーで切り抜けた。続く12番(パー3)では8mのバーディパットをカップの右からコロリと沈め、右手で小さくガッツポーズ。後続に見せかけたスキを、ギャラリーの大歓声とともにかき消した。

復帰戦となった7月「日本プロ」から1カ月半後につかんだ今季1勝目。それも、自身7年ぶり2回目となる、初日から首位を守り切る完全優勝で飾った。筋力アップと腰に負担をかけないスイング作り、クラブ調整…さまざまな改良を加えての急速な復調。「まだまだ自分のゴルフが良くできていないし、この優勝にも満足と思っていない。これからも、もっと上を目指したい」。石川が描く完全復活は、まだ先にある。(福岡県糸島市/塚田達也)

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