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「20オーバーでもいい」石川遼が1Wで攻めきり12勝目

北海道の札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コースで開催された「ANAオープンゴルフトーナメント」最終日。石川遼が国内ツアー今季初出場で初勝利を飾った。首位タイから出て5バーディ、2ボギーの「69」。通算16アンダーで昨年7月の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」以来となる通算12勝目。17日(木)に24歳の誕生日を迎えた直後にタイトルを手にした。

サンデーバックナインの勝負どころだった。後続に2打差をつけて迎えた13番。右ドッグレッグのパー4で、石川は迷いなく1Wを振り抜いた。強いフォローの風を受けた高弾道のショットは、右の林のはるか上を抜けていく。フェアウェイの右サイドをきっちりと捕らえ、4mを沈めてリードをひろげるバーディを奪った。

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周囲が勝利を確信しても、内心は穏やかではなかったという。「やっぱり優勝争いの経験が最近はなかったから。年間4勝、3勝していたときとは感覚が違う。ずっと必死でした」。今週はラフからのトラブルショットが度々ハイライトになった。72ホール目の18番でも右サイドから低いスライスボールで花道まで運んで大歓声。「コース攻略に型はない、どう攻めても自由と実感しながらプレーしていた」。かつての石川遼らしい、アグレッシブな姿勢で、1年2カ月ぶりの勝利をもぎ取った。

攻略法にレパートリーがある輪厚コース。石川は1Wを積極的に握った。安定感があったとは言い難い。フェアウェイキープは120人が出場した予選で初日42.86%(69位)、2日目21.43%(110位)。4日間の32.14%は、決勝ラウンドに進んだ74人中73番目だった。

米ツアーで慣れ親しんだ洋芝からのアプローチは冴えたが、得意としている100yd前後のウェッジゲームも「最後まで自信を持てなかった」と、本調子とは言い難かった。それでも「うまいゴルフだったとは思わない。“すごいショットを何回打てるか”のチャレンジをしていた」という、1ショットに徹した姿勢を貫き通して勝った。

「今週は『20オーバーで予選落ちしてもいい』と、ドライバーで自由にやってみようとチームのスタッフに話して、それを周りも理解してくれた」

米ツアー本格参戦3年目のシーズンは、レギュラー最終戦でシード確保に滑り込み。次の2014-15年シーズンは10月中旬に始まる。「今週の自分のプレーをアメリカでもやりたいと思う。この先のアメリカでのプレーも変わっていく」。次週から再び国内ツアー2試合を戦って再渡米。母国で思い出した勝負勘を武器に、再び主戦場での戦いに身を投じる。(北海道北広島市/桂川洋一)

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2015年 ANAオープンゴルフトーナメント

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