ラウンドリポーターは師匠 出利葉太一郎が師事するシニアプロの緊張感「フラットでいなきゃ…」
◇国内メジャー第2戦◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 3日目(6日)◇宍戸ヒルズCC 西C(茨城)◇7464yd(パー71)◇晴れ(観衆7304人)
待望のツアー初勝利を国内メジャーでつかむ権利を、出利葉太一郎は手放さなかった。予選ラウンドで守った首位の座を片岡尚之に譲りながらも1打差の2位。4バーディを奪ってボギーを1つに抑える「68」で通算8アンダー。「バックナインにかけて心拍数が上がった」というムービングデーの出来に、目の前にいた“師匠”も納得だ。
25歳が日大時代から師事するツアー2勝の高橋竜彦は2006年の本大会で優勝し、今年はコースセッティングにも携わる。しかもこの日はテレビ中継のラウンドリポーターとして最終組に同行。マイク片手に出利葉のプレーを(も)見守った。
最高のシチュエーションとはいえ、「見方が難しい」のが本音。「(リポーターとして)客観的にちゃんと見なきゃいけないんだろうけど、やっぱり心配になっちゃう。フラットでいなきゃいけないんですけど…気持ちは入りますよね」と変な汗をかいた気分だ。
ジュニア時代に出利葉の父と競技ゴルフに打ち込んだ縁で、師弟関係を結んで5年以上が経つ。「師匠というよりも先輩プロとしてアドバイスをしている感じ」と謙虚に向き合う。
抜群の飛距離性能を持つ後輩はかつて「よく飛ぶけれど、インパクトが強くてね。スライスしか打てなかった」と高橋は明かす。「本物のフェードを打つためにはドローも必要」とツアーで戦うための武器を授けているところ。「ショートアイアンの距離感を身に着ける練習も散々やって今年を迎えた。調子は良いのに週末に上位に行けない試合が続いていたところで、最終日を最終組で回れる。まあ、楽しみしかないですよね」と力が入るのも無理はない。
解説者のひとりとして、ちょうど20年前の歴代優勝者として、勝負所は「序盤でしょう。立ち上がりがすごく大事」と分析した。「バーディが来る、ボギーが来るではなくて、フェアウェイをポンポンとヒットして、安心して打てる感じが続けば終盤におもしろい勝負ができる。(同じ組だった)岩田(寛)くんは前半にもたついても、終盤に盛り返す底力があった。ああいう粘り強さは太一郎もすごく勉強になったと思います」
シーズン前、合宿先のタイで伝えたことがある。「おれはシニアで、太一郎はレギュラーで優勝しようぜ」。その言葉の通り、自らは4月の「ノジマチャンピオンシップ箱根」で初優勝をマーク。「『次はお前の番だぞ』って、ずっと言っているんです。こんな大舞台でそれが実現すれば最高だけど…」。この日(6月6日)は、高橋の52歳の誕生日だった。大きなバースデープレゼントは1日遅れでやってくる。(茨城県笠間市/桂川洋一)