ジャンボさんの教え「地道な練習の先に優勝がある」 雨天中止のコースに一番乗りした中野麟太朗
◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 2日目(10日)◇東建多度CC名古屋(三重)◇7090yd(パー71)◇雨
午前6時30分に2日目中止が発表された約1時間後、中野麟太朗がコースに顔を出した。ロッカーで支度を終えるとドライビングレンジへ。雨のため芝からは打てなかったが、屋根付きスペースのマットの上でスイングをチェックした。
「ホテルから近い練習場もあったけど、一人で早めにやろうと思って」。弾道測定器をセットし、帯同キャディらに動画を撮ってもらいながら自分の世界に集中した。
地道な努力は昨年12月に死去した尾崎将司氏の教えに通じる。3月に早大スポーツ科学部を卒業した22歳は、明大中野高在学中「ジャンボアカデミー」に4期生として入門した。「ジャンボ尾崎さんに教えてもらえるチャンスがあるなら」。東京・国立市の家から約2時間かかる千葉のジャンボ邸へ。高校の時は週に2回は通えたが、大学では部活などもあり機会が減った。「もっともっと教えてもらいたいことがあったのに…。無理してでももっと通えばよかった」。最後に会えたのは昨年9月「ロピア フジサンケイクラシック」後のこと。予選落ちを報告すると「情けないな」と叱られた。
胸に刻んだ恩師の教えはシンプルだ。「いつも“地味な練習をしっかりやれ”と。“一歩一歩、階段を上った先に優勝がある”と」
ほめてもらえたのは一度だけかもしれない。大学2年の2023年に「日本アマ」に勝ったとき。それまで「関東アマ」などで優勝しても「地方の大会で勝ってのぼせてんじゃねえだろうな」と厳しかったのに、「よくやった。勝つってのは簡単じゃねえからな」と握手してくれた。調子に乗って「次はプロで勝ちます!」と言うと、「生意気言うな!」とすぐ叱られた。
プロとしてツアー本格参戦1年目を迎え、国内開幕戦は2アンダー23位で初日を終えた。シーズンの目標は「Beyond 2wins」。“最低2勝”という言葉の最低の文字が嫌で、AIと“相談”して探したフレーズだ。昨年12月の最終QTは2位。片岡大育にプレーオフで敗れ、フルシーズン出場権を逃し、ツアー出場権は8月「Sansan KBCオーガスタ」終了時の前半戦にとどまった。「また勝ち切れない癖、勝負弱さが出ました」。その反省と、ジャンボさんの数々の教えを胸に、54ホール競技になった大会で優勝争いに挑む。(三重県桑名市/加藤裕一)