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来年はそれぞれの道へ「また、一緒にアメリカで」／金谷拓実×中島啓太対談(3)

2023/12/15 17:00

中島啓太が国内男子ツアーの賞金王に輝いた2023年は、金谷拓実とのライバル関係がツアーのトピックスになった。2人の初対面は2015年「日本アマ」。決勝戦で中学3年生だった中島を高校2年生の金谷が下し、17歳で最年少優勝を果たした。

ともにプロになった今、中島は14日からPGAツアー参戦を目指して最終予選会に挑戦。金谷は日本ツアー賞金ランキング3位以内の資格で、来季の欧州ツアー出場権を獲得した。全3回の対談の最終回は、仲良くなった経緯や2人の近未来について語り合った。（聞き手・構成／谷口愛純）

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電気を消した寝室で名言

当時最年少優勝をかけて競った（画像提供：日本ゴルフ協会）

―2015年「日本アマ」、当時のお互いの印象は？
金谷マッチプレーで大学生とかを相手にやってきて、『最後は中学生だ！』って。
中島僕は、関東アマに落ちて復活戦から行った（※「関東アマチュア選手権」の成績上位者が同年の日本アマに出場できる）ので、日本アマの大きさも価値も知らない状態で試合に出ていました。よく分からないまま行って、体も疲弊していたし。
金谷その後も試合で会ってはいたけど、仲良くなったのは、やっぱりナショナルチームで遠征に行くようになってからですね。
中島シンガポールの「アジアアマ」（2019年のアジアパシフィックアマチュア選手権）は同じ部屋でベッドをくっつけてましたよね。お互い優勝争いをしているのに。（※金谷が優勝、中島が2位。優勝者は翌年の海外メジャー「マスターズ」と「全英オープン」に出場できる）
金谷すみません（笑）。
中島その時も、金谷さんの名言が1個あったんです。最終日の前の日、寝る前に電気も消していて。「あした、どっちが勝っても負けても、お互いどちらかがマスターズに行ったら、ちゃんと応援しよう」って。素晴らしいなと。まあ、僕が負けましたけど。

目指すはまず、欧州優勝

―お互いにゴルフのアドバイスをしたりは？
中島僕は、1回だけ聞いたことがあります。LINEで。ナショナルチームの時ですね。
金谷え、本当に？
中島 100ydくらいの、左足上がりで、風がちょっとアゲンストの時って距離感も方向も出しづらいじゃないですか。どうやって打っていますか？って。
金谷ちゃんと答えた？
中島はい。「ピッチングで、ちょっと短く持って…」って。
金谷覚えていないですね。僕は、スイング動画はよく撮らせてもらいました。『あー、すげーなー』って。参考にできなかったです。スイングの感じも違うし。でも、すごくきれいなスイングだなって。

野球はするけど食事はしない

米ツアー予選会のため渡米

―一緒に食事に行くことは？
中島プロになってから行っていないですね、1回も。
金谷基本はトレーナーさんと一緒か、一人で行きます。選手とは行かないですね。
中島先輩プロに誘われたら、どうするんですか？
金谷最初の頃はコロナもあったし、そういう機会もなくて。大学の後輩で、たまに杉原（大河）とか。それも試合前の月、火だけで、試合中は絶対に行かないですね。
中島夜もゴルフに集中してるんですか？
金谷夜ご飯を、長い時間食べるのが好きじゃない。早く寝たいから。
中島僕は（河本）力さんだけですね。それも、秋口のシーズン中盤からは行っていなくて、一人でした。

―この後、一緒にご飯を食べたり遊んだり…？
金谷野球はしたいですね。
中島去年やりましたよね。またやりたいですね。

―2人とも来年の欧州ツアー出場権を獲得。金谷選手は2月のアジアンツアー優勝もあり、中島選手は米ツアー予選会へ。来年はお互い、別々のツアーが主戦場になる可能性もありますが？
中島 QT（予選会）が本当に大事。来年は海外でプレーするので、覚悟と責任を持って、逃げずに挑戦したいなと思っています。
金谷寂しいというより、啓太がアメリカに行ったとして、僕もほかの選手もそれを目指して頑張ろうと感じると思う。どんな結果であれ、啓太はもっともっと挑戦し続けると思うし、またみんなで頑張りたい。
中島自分も頑張りますけど、金谷さんがもっと強くなって、絶対にアメリカに来る（と言える）自信があります。同じ場所にいられるように頑張りたい。また、一緒にアメリカで戦えることを目標に、自分にできることをやりたいです。
金谷プロになってからヨーロッパでなかなかシードを取れなかったので、しっかり覚悟を決めて、ヨーロッパで勝ちたい。久常涼選手みたいになっていきたいし、どんどん上を目指して、頑張っていきたいです。