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「終わらせて」17年ぶりは回避 香妻陣一朗が走り抜けた暗闇

◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 3日目(18日)◇札幌GC輪厚コース(北海道)◇7063yd(パー72)

「もう単独首位でもタイでも、追う立場になってもなんでもよかった。とりあえず、終われたら」。徐々に暗くなるコースを見ながら、香妻陣一朗はクタクタな体に鞭を打って走った。

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暗くなった18番グリーンを照らすのは、スコアを映したスクリーンの明かりだけ。目を凝らしてもラインが見えない12mバーディパットを1.5mに寄せると、パーで終えて通算16アンダー単独首位を守った。

初日の大雨でスケジュールが大幅にずれ込んだ今大会。前日は第2ラウンドを3ホールしかプレーできず、この日は午前7時10分から積み残しの15ホールをプレーした。ボギーなし「64」で回って通算13アンダー単独首位で決勝ラウンドに進んだが、2時間半後に始まる第3ラウンドを思うと体が重い。

「体力的に、ちょっとキツイ」とティオフは午後1時40分。午後6時前の日没の時間を考えると、ホールアウトできるかどうかもギリギリだった。持ち越しになった場合、明日の再開時間は午前6時30分の予定。「3時半起きは、絶対にイヤ」と、無事に完走することが最優先だった。

暗くなり始めたのは後半14番に入ったころ。「ラインが見えないし、球も追えない」とすでに視界が怪しかったが、首位から落ちることなく最終ホールへ。18番グリーンに上がるころには真っ暗で、12m残ったバーディパットのラインは当然見えない。「先に清水大成くんが打ってくれたので、なんとなく分かった」と2パットで決めてパーで終えた。

この日サスペンデッドとなっていれば3日連続で、国内の試合では2006年「マンダムルシードよみうりオープン」以来17年ぶりだった。「終わると思っていなかったです。終わらせたという感じ」と息をついた。長い一日を耐え、最終日は最終組で午前9時15分にスタートする。

「苦しいゴルフになると思うんですけど、とにかくガムシャラに。一打をかみ締めながらやりたい」と、今季初Vへ疲れた体を奮い立たせる。(北海道北広島市/谷口愛純)

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