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マジックナンバーにあと1打 長野泰雅の“早打ち”のルーツ

◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 2日目(23日)◇西那須野CC(栃木)◇7036yd(パー72)◇曇り(観衆793人)

圧巻のバーディラッシュは、締めくくりがちょっと残念だった。初日から12打もスコアを伸ばして迎えた最終9番、3mのバーディパットはカップ際で止まった。入っていれば、ツアー史上5人目の50台を記録していた状況にも、20歳の長野泰雅は「緊張はしていなかったんですけど、(芝が)逆目でショートしちゃいました」と、けろっとしていた。

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なにせ“マジックナンバー達成”への意識はなかったという。「知らなかったです。ベストが“63”だから、(この日)9アンダーになった時は『あと1個取りたい』と思って」。後半4番(パー5)で12mのイーグルパットを決めてからは、自己ベストの「62」狙い。バーディをさらに3つ重ね、前半8番(パー3)での1ボギーをものともしない「60」で通算15アンダー首位に立った。

イーグルの場面以外は4m以内のバーディチャンスばかり。前週の「ハナ銀行 インビテーショナル」でバッグに入れたブリヂストンの未発表1W(B-Limited B1 LS)が好印象で、ティショットが安定。「入れごろです」という好きな距離のパットを決め続けた。「フェアウェイにあればバーディを獲れる」と思えるほど、グリーン上でも自信満々でいられた。

20歳の所作で目を見張るのが、そのプレーファストぶり。自ら「カメラが(同組選手の撮影の後で)追いつかないと思うんですよ」と笑うほど、早く構えて早く打つ。「『もっとゆっくり打て』って親に言われるんですけど。(自分は)何も考えてないので」と言うが、若き先輩プレーヤーの動きに自身を重ねてもいる。

2018年、テレビで見た「三井住友VISA太平洋マスターズ」でアマチュア優勝を飾った金谷拓実の姿は今も目に焼き付いたまま。「金谷さんは構えてから早く打つ。(優勝を決めた)長いイーグルパットも早かったですよね」。ラインを読み、ルーティンをひと通りこなして構えてからはすぐにストローク。「フックか、スライスか。だいたい最初に感じたとおりのラインを打ちます。いろいろ悩まないで」。潔い決断力も若さが生む武器だ。

前週は3位で迎えた最終日に「74」をたたいて12位に終わった。「3日目が良くて、4日目に失敗しちゃったんで。あした頑張って、先週のリベンジができたらなと思います」。怖いもの知らずのまま初優勝に突き進む。(栃木県那須塩原市/桂川洋一)

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