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「鉄人」が目標 53歳・手嶋多一は下部ツアーにも意欲

◇国内男子◇ファイナルQT 最終日(10日)◇トム・ワトソンGC(宮崎)◇6984yd(パー72)

翌シーズンの出場権をかけた予選会に最後に参加したのは、日本プロゴルフ協会(PGA)がレギュラーツアーを統括していた実に27年前だった。「変なドキドキ感。一緒に回る選手の緊張感も伝わってくる」という心境を、手嶋多一は53歳にして味わった。

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「生涯獲得賞金ランキング上位25位」の資格でプレーした2020―21年シーズンは賞金ランキング74位で終えシード獲得を逃した。8月からは兼務するシニアツアーとレギュラーとを行き来し、優勝した9月「日本シニアオープン」を挟んで11月の「カシオワールドオープン」までなんと14連戦。あまりにタフなスケジュールは「脳の疲労。ボーっとしていることがあった」と悪影響も呼んだかもしれない。

最終予選会は2日目の「77」が響き、通算3オーバーの29位で終えた。例年、上位20人前後が来季前半戦の多くの大会に出場できたが、来季は新型コロナ禍の渡航制限によるシードを落とした外国人選手らが特別保障制度でカムバックするため、この予選会を通じた資格で巡ってくる人数がさらに少なくなる恐れがある。

思うようにレギュラー出場がかなわなかったとしても、手嶋は下部AbemaTVツアーにも参加意欲を示した。ロールモデルはかつて「鉄人」と呼ばれた室田淳(66歳)。「下部ツアーに室田さんは61歳まで行っていた。僕も鉄人を目指したい」。室田はただ長くプレーしただけでなく、2014年末に59歳にして5年ぶりに賞金シード選手に復帰した。「『それは抜けないだろう!』と(室田が)言っていた。ホントにそれは長くやるうえで理想ですよ」

ホールアウト後、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功会長から「お前もゴルフ好きだもんな。これしかない、と思ったらそれが人生だ」と労いの言葉を受け、笑顔を見せた。「いっぱい(ツアーの)仕事があるから手伝ってくれよ」と続けられたオファーは「その時が来たら」と手嶋は承諾をやんわり先延ばしに。まだプレーヤーとしてツアーの盛り上げに一役買う。(宮崎県宮崎市/桂川洋一)

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