【GDO EYE】ジャンボ尾崎、杉原輝雄の想いを背負って
あと3年は闘いたい!杉原輝雄
今週行われている「中日クラウンズ」は「日本オープン」「日本プロゴルフ選手権」といった公式戦を除くスポンサートーナメントでは国内でもっとも長い歴史がある。今年49回目の開催を迎えたが、その全ての試合に出場している選手が一人だけいる。現役最年長ツアープロの杉原輝雄(70歳)だ。
1997年に前立腺癌告知し、その後も投薬治療を続けながらトーナメントに出場を続けている。一昨年の「つるやオープン」では、レギュラーツアーでの世界最年長予選通過記録を68歳10ヶ月で樹立。 今季も6試合程度のレギュラーツアーに参戦する予定だ。
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今大会は予選2日間で14オーバーを叩き予選落ちに終わったが、ラウンド中はギャラリーからの声援に笑顔で応えながらラウンドをしていたが、癌の進行は全く止まっているわけではない。自身も口にするが、どうやらリンパ節への転移があるという。
「まだまだ試合には出る。なにもなければあと3年は試合に出るつもり」と言う。そして杉原にはどうしても出場したい試合がある。それは、今年から大阪府の茨木カンツリークラブ(以下CC)で開催される「アジアパシフィック パナソニックオープン」だ。杉原のゴルフの原点、それは杉原が中学校を卒業して入社した茨木CCにあるからだ。
ゴルフの「いろは」はもちろん、20歳でプロになるまで、杉原は茨木CCで練習に明け暮れた。そのコースで行われるトーナメントに何とか出場したいという。杉原は73年のツアー施行以後28勝を挙げ、25勝以上の選手に与えられる永久シードを獲得している。したがって、現在も自分の出たいトーナメントに出場が可能なのだが、「アジアパシフィック パナソニックオープン」は試合の主管はJGTO(日本ゴルフツアー機構)ではなく、JGA(日本ゴルフ協会。したがって永久シードという資格では出られないかもしれないと本人も心配をしている。
トーナメントには主催者の特別招待枠を設けているが、杉原の性格だと「特別招待の枠なら今後の活躍が期待される若手に譲ったる」とでも言う可能性もある。残り少ないと自ら語るゴルフ人生の中でも、出場したい試合なだけに、9月25日から開催される同大会にプレーヤーとして杉原の姿を見ることが出来るか今から気がかりだ。