池に消えたボールは1310個 帝王のいたずら心が生んだベア・トラップ
2020年 ザ・ホンダクラシック
期間:02/27〜03/01 場所:PGAナショナル(チャンピオン)(フロリダ州)
ベアトラップで池にハマらなかった連続記録とは
2020/03/01 08:41
◇米国男子◇ザ・ホンダクラシック 3日目(29日)◇PGAナショナル・チャンピオンコース(フロリダ州)◇パー70(7125yd)
大記録、と言えばそうなのかもしれない。PGAナショナル・チャンピオンコースの名物は15番(パー3)、16番、17番(パー3)。いずれもグリーン手前に巨大な池が構えるこの連続する3ホールは、1990年にコースを改修したジャック・ニクラスにちなんで“ベアトラップ”の名前を持つ。
<< 下に続く >>
2007年に大会が当地に移ってから19年大会まで、3ホールの池は1395のボールを飲み込んだ。13年間で543人の選手が出場し、ココで1度でも池ポチャさせたことがある選手は76%の415人に上る。
マイケル・トンプソンは今年、第1ラウンドを終えるまで29ラウンド連続でベアトラップの池にボールを落とさなかった。それに次ぐ記録がジム・フューリックの16ラウンド連続、バド・コーリーの15ラウンド連続(継続中)だから群を抜いている。
この難関でできるだけ堅実なプレーを、ピンを攻めすぎないことを心がけているというトンプソンの記録は2日目、15番で途切れた。7Iで放ったショットはグリーンに届かずハザードに落ちた。「連続記録に気づいてしまったんだ。だから池に入れてしまった。今までは知らなかったんだけど、今週そう聞いて」と苦笑い。池に落とした瞬間は、思わず「自分が知る限りの」“NGワード”を吐いたという。
そして3日目。トンプソンの15番のティショットはまたしても水しぶきを上げた。(フロリダ州パームビーチガーデンズ/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw