日本人選手コメント/クラフトナビスコ選手権最終日
2013年 クラフトナビスコ選手権
期間:04/04〜04/07 場所:ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)
笑わなくても・・・。饒舌な強さを誇る朴仁妃
去年12月の日韓対抗戦、夕食を食べようと釜山の町を歩いていると、偶然大会で通訳をしている韓国人スタッフに遭遇した。彼にも連れがいたが、我々が何を食べるべきかと尋ねると、「一緒に行こう」と地元の料理屋へ案内してくれた。
その時食べた料理は、骨の無いうなぎのような魚を生きたままぶつ切りにして、赤いコチュジャンと野菜を混ぜて、アルミ泊を敷いた鉄板で焼くという釜山の名物料理。火に掛けると、まるで生きているかのように切り身が動き出し、全体の赤さと相まって見ていて恐怖を感じるものだったが、彼らの手前、必死で食べた。
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その時一緒にいたのが、朴仁妃の婚約者でコーチのナム・チヒョプさん。話題となったのは朴のポーカーフェースについて。バーディを取っても、ボギーを叩いても、優勝してもほとんど表情に現れない。どうしても冷たい印象を与えてしまうので、彼らも「もっと笑った方がいい」と朴の背中を押すのだが、「それは私のスタイルじゃない」と拒絶するのだという。
今年の「クラフトナビスコ選手権」でも、朴は全く表情を変えず、「ナーバスだった」という本人の言葉が嘘のように、感情の動きすら感じさせなかった。それでも、朴の優勝会見や、その直前のリュ・ソヨンの会見で、朴の人となりは少しずつ分かってきた。
“勝負が好き”“美味しいものが好き”“赤ちゃんがとっても好き”。本人も話していたが、今後どんどん優勝を重ねることで、もっといろんな側面が知られていくのだろう。話が面白く、スターになるべくして生まれてきたようなプレーヤーがいる反面、寡黙で感情の起伏の見えない選手もいる。それでもこの世界では、“強い”ということが一番饒舌な要素なのは間違いない。(カリフォルニア州ランチョ・ミラージュ/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka