中井学のウェグマンズLPGA選手権レポート/3日目
2012年 ウェグマンズLPGA選手権
期間:06/07〜06/10 場所:ローキャストヒルCC(ニューヨーク州)
フォン・シャンシャンが指摘する “日本の甘さ”
日本ツアーで今季1勝を含む通算3勝をあげ、最新の世界ランキングでは10位につけるフォン・シャンシャン。今週の米メジャー「ウェグマンズLPGA選手権」でも、3日目を終えて7位タイと堂々の活躍を見せている。
日米両ツアーを知るシャンシャンから見た日本とは、一体どういうものなのだろうか?「サントリーレディス」で韓国人アマが優勝し、海外勢が6連勝を達成したが、日本選手は彼女たちより劣っているのだろうか?
<< 下に続く >>
今年、新しく福岡CCで開催された「フンドーキンレディス」。初めての練習ラウンドを行ったシャンシャンは、長年日本でキャディを務めるライオネル氏と優勝スコアについて想定した。いくつだと思う?という問いに対し、「15から20アンダー?」とシャンシャン。するとライオネルは「そんなに必要ないよ!」と目を丸くしたという。シャンシャンにしてみれば、天候が良くないにも関わらず18ホールを5アンダーや6アンダーで回る選手が見受けられる。3日間で考えれば、当然の結末だ。
「日本にも良いプレーヤーはたくさんいる。若い選手は飛距離もあるし、パッティングもうまい。だけど、彼女たちは15アンダーなんて考えもしない。きっと、勝つためにそんなロースコアを出す必要がなかったのだと思う。私たちとメンタルセット、ゴールセッティングが違う」。日本の選手は安定しているが、ロースコアをたくさん打つわけじゃない。「だから、1日ロースコアを出すと追いつかれない」。米ツアーの選手たちは、1日だけではなく、1年間いつでも65、66といったスコアを出すことができる。そんな選手が集まる中で毎週戦っていれば、当然求められるものは高度になる。
こんな選手がゴルフの国際化により、次々に日本ツアーに参戦してくる。昔のままのレベル感で戦っていては、海外ツアーの緊張感を持って挑んでくる選手との差は、やる前からついてしまっている。既に日本ツアーだから日本人中心という時代は終わっている。海外勢6連勝というのは、その事実の反映にすぎないということに、われわれは気がつかないといけないだろう。(ニューヨーク州ロチェスター/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka