インスタグラムで多くのフォロワーを持つ金田久美子

いたって真面目に投稿したのだという。昨年1月、金田久美子は自身のインスタグラムに大きな熊のぬいぐるみをお風呂に浸からせる写真を掲載した。笑いながら、「結構みんなに言われますけど、普通に洗ったときの写真を撮っただけなんですよ」と反響にまんざらでもない。

5年前に始めたインスタグラムのフォロワー数はいま、8万3843人いる。芸能人や野球、サッカー界などの超有名人と比較すれば少ないが、昨年本格的に運用を開始した日本女子プロゴルフ協会（LPGA）のフォロワー数（4万7331人）の倍程度だ。宮里藍さんで9万8176人。日本の現役女子プロゴルファーに限れば、上田桃子（6万9981人）や有村智恵（6万5260人）らを上回る人数なのだ。

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計1083件の投稿は、ゴルフ場での姿やトレーニング風景だけではない。お洒落ゴルファーとされる29歳の掲載する写真や動画は、自身のネイル、化粧品、プライベートの食事会など多岐にわたる。「＃インスタ映え？」とハッシュタグをつけ、カラーボールで埋め尽くされた空間から金田が顔だけ出しているといった写真を載せるなど、お笑い要素も十分ある。

「インスタグラムでのこだわりは特にないですよ。みんなが楽しんでくれたら良いかなと思っている。本当はプライベートのことも、もっと載せたいけど、最近はどうもゴルフの写真が多くなっていますね」。

ツアー会場で「インスタグラムを見ている」と声をかけられることは多い。好意的な反応が多数を占めるが、一部批判的なコメントも見ることはある。「そんなことやっていないで練習しろ、っていうのを見るとね。年をとってきてね、スポンサーさんとかのことを考えると、あんまり迷惑かけられないなって思っちゃうの。しぜんとゴルフ場での写真が多くなるね」。

海外では現在、ツアーが選手に対し、自身のSNSの更新を依頼している。それがツアーの認知度やゴルフ界全体への関心につながるからだ。以前、米PGAツアーの広報担当者は「ファンは選手のプライベートなどを含めて興味を持つ。どんどん掲載してくれることは、ツアーへの貢献になる」と話していた。一方、国内女子ツアーは、試合が始まると選手が試合会場で撮影した写真をSNSへ投稿することを禁じている。

1つスコアを縮めて、34位で決勝ラウンドに進んだ「ヤマハレディース」2日目、ギャラリーの多くが帰路についた午後5時半ごろ、金田は「パットが悪かった」と練習場へ直行した。帰り際「最近フォロワー数、上がってないのよ。（インスタグラム）見てくれる人増えないかな」とつぶやいた。試合での好結果がフォロワー数を伸ばす一つの方策であることも間違いない。インフルエンサーの悩みはつきないのだ。（編集部・林洋平）