大勢のギャラリーを引き付けるイ・ボミの魅力とは

◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 最終日（28日）◇武蔵丘GC（埼玉）◇6585yd（パー72）

ツアー通算21勝のイ・ボミ（韓国）はイーブンパーの45位で終え、「ミスショットが多かった。それがボギーにつながってしまった」と振り返った。

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2015、16年賞金女王は今季、22試合に出場して9試合で予選落ち。トップ10にすら入れず、賞金ランキングは683万円余で87位と低迷している。ホステスプロとして臨んだ前週の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」でも予選落ちし、インタビューの途中に言葉を詰まらせ涙を流した。

今週は2日目を終えた時点で41位とし、最終日は優勝争いとは程遠いインスタートとなった。それでもイの周りには300人を超えるギャラリーがついた。“裏街道”でもなお、大勢の観客を引き連れ続けるイの魅力とは一体何なのだろうか。

ファン歴3年という東京都の女性（近藤さん）はイの魅力を「調子が良くても悪くても、ファンに対する対応が変わらないところ」と話す。初めてサインをもらった翌週のイベント会場で「近藤さん、もう名前覚えましたよ」と言われ、驚いたという。

3年前からイ・ボミのファンだという3兄弟。帆風（ほのか）ちゃん（左・中2）、帆南（ほなみ）ちゃん（中・小5）、帆人（はんと）くん（右・小3）

ギャラリーの中には小さい子どもの姿も目立つ。田中成紀（しげのり）さんは家族でファンだといい、「バーディを取った後に子どもがこぶしを差し出せば、必ずグータッチを返してくれる」と、イの“神対応”を絶賛する。次女で小学5年の帆南（ほなみ）ちゃんは「優しいし、笑顔がかわいくて、ゴルフがうまいところが好き」と語った。

イが2011年にツアー参戦したときから応援する男性会社員（56）は「ファンカフェ」に加入し、関東開催の試合を中心に年間20試合観戦するという。メンバーはおそろいのオレンジ色の帽子をかぶり、ボールの落下地点から「ナイスショット！」と本人に報告する。

初めて同じ組で回った22歳のエイミー・コガは「昨日ペアリング見たとき“すごーい”って思いました。憧れの存在でした」。イの魅力を「人に愛されていて、あたたかいし、ポジティブだし、ミスをしても明るい」と興奮気味に話す。「いっぱいおしゃべりできたし、プレースタイルが似ているので、とても勉強になった」と少女のように目を輝かせた。

イは言った。「インスタートだったのに、きょうも多くの方が応援してくれて、期待に応えられるように、もっと頑張りたいと思いながらプレーしていました。すごく感謝しています。愛される人になれて、とても幸せだなと思います」（埼玉県飯能市／柴田雄平）