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子どもをプロゴルファーにするにはいくらかかる?ある女子プロの場合

112年ぶりにゴルフが復活したリオデジャネイロ五輪も閉幕。各競技で国を代表する選手がメダルの栄誉をかけて競い合ったが、その裏側にあるのは、子どもを一流選手に育てるためのお金にまつわる親たちの苦労話だ。

プロゴルフも、トッププレーヤーになれば巨額の賞金を稼げる世界だ。一方で、子どもをプロゴルファーまで育て上げるには多額のお金もかかりそうだ。いったいどれくらいのお金が必要なのだろうか。

7月の国内女子ツアー「大東建託・いい部屋ネットレディス」で初優勝を飾った20歳のささきしょうこ。父の佐々木修治さん(56)は「生活は楽ではなかった。よほどの覚悟がないと、絶対に無理だ」と語る。

ささきが9歳のころプロゴルファーになると決意した後、住んでいた持ち家を売却。修治さんは勤めていた会社を退職し、娘に最高の練習環境を与えようと、ゴルフ場に住み込んだこともある。

「これまでに掛かった金額?片手はくだらないでしょう」。クラブなどの用具代、練習場代、コースでのプレーフィー、交通費、宿泊代…挙げればキリがないが、ざっと見積もっただけでも、およそ5、6千万円。あくまで、これは“プロゴルファーにする”ことにかかる費用で、生活費がさらに加わるという。

総務省の家計調査報告(2018年4~6月期平均速報)によれば、1世帯(2人以上)当たりの1カ月平均の消費支出は約28万円。これを単純に当てはめると、9歳から昨年に18歳でプロ転向を果たすまでの10年間、佐々木家の総消費支出は3360万円余りとなる。

「サラリーマン家庭のやり繰りで、ゴルフをさせるのはとうていできないことだと思った」と、ささきがプロになりたいと言い始めた当初、修治さんは猛反対した。だが、ささきと、母・典子さんの必死の説得により「覚悟を決めるしかなかった」。全てを手放してでも、娘をプロゴルファーにするだけのお金を稼ぐため、夫婦ともに懸命に働いてきたという。

「娘にゴルフはさせられても、生活はほんとに楽なものではなかった」と振り返る。幸い、サラリーマン時代からの知人らから、生活費の援助やサポートを受けることができた。「ジュニア大会で顔を合わせる選手の両親のほとんどが会社経営者や、自営業」というのも現実だ。

「優勝してからも『しょうこちゃんみたいにプロに育てるにはどうすればいいですか?』と、ジュニアゴルファーの両親から尋ねられることがある。正直、そこは安易に返答できない。よっぽどの覚悟がなければ、絶対に無理ですよ」。そして続ける。「だからしょうこには、もっともっと頑張ってもらわないといけないんです」。

その思いを知ってか知らずか、ささきはがむしゃらだ。夢をかなえるために、何をどのくらい犠牲にできるか――。プロになっても転戦費用が必要となる。予選を通過して必要経費以上の賞金を稼がなければ、赤字という厳しい現実は続くのだ。(編集部・糸井順子)

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糸井順子(いといじゅんこ) プロフィール

某自動車メーカーに勤務後、GDOに入社。ニュースグループで約7年間、全国を飛びまわったのち、現在は社内で月金OLを謳歌中。趣味は茶道、華道、料理、ヨガ。特技は巻き髪。チャームポイントは片えくぼ。今年のモットーは、『おしとやかに、丁寧に』。

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