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比嘉真美子“どん底”で胸に刻んだファンの言葉

2015/11/19 19:30

イップスであることを受け入れ、次の段階へと足を踏み出した比嘉真美子

今季国内女子ツアーのフルフィールド最終戦「大王製紙エリエールレディス」初日を1オーバー、35位タイで終えた比嘉真美子は、爽やかな表情で振り返った。「スコアは微妙だけど、フワフワした感じじゃなく、しっかり上向きのプレーがちょっとずつできてきた。手応えはありますね」。

賞金ランキング45位で出場権を獲得した今季は、前週まで31試合に出場して決勝進出はわずか7回。10月下旬の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」までは、17戦連続落ちを喫した。ツアーフル参戦初年度の2013年にいきなり2勝を挙げた潜在力から考えれば“どん底”のようなシーズンを送っている。

比嘉は打ち明けた。「去年のシーズン序盤から、球を打つのが怖くなった。恐怖心から悪い緊張感になって、それが18ホールずっと続く。初日に叩いたら、次の日にゴルフ場に行くのも嫌になったし、ゴルフをやめたいと思ったことも何度もあった」。

ここまでの賞金ランキングは91位。それでも、ここ1カ月ほどでようやく上昇の兆しが見え始め、3週前の「樋口久子 Pontaレディス」で約5カ月ぶりに予選を通過した。9月末の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で、それまで避けてきたことに目を向けたのが転機になったという。「これはイップスなんだって。認めたくなかったけど、それを受け入れたら、すっごく楽になった」。

予選落ちが続いていた夏場、その週も決勝進出を逃した比嘉は、練習に訪れた日曜日のドライビングレンジで、いつも自分のラウンドを見守っているファンを見つけた。どんなにひどいプレーをしていても18ホールをついて歩き、予選落ちをした自分の練習まで見詰めている。普段、ファンと会話することは少ないという比嘉だが「こんなに悪いプレーをしているのに、ずっと見ているのはなぜなんですか?」と思わず問いかけた。

スコアに関係なく、比嘉が笑顔でプレーしているのを見に来ているのだ、という答えが返ってきた。「『僕らは気長に待つだけだから』って言われて…。この人たちを絶対に裏切ったらいけないなと思いました」と、その言葉をしっかり胸に刻みこんだ。

まだ復活への道は半ばだが、苦境を経験する過程で学んだこともある。「周りやいま置かれている状況への感謝。良いときには感じなかったけど、いまは心から感じられる」。震災からの復興に取り組む東北の地に、苦しくても決して投げ出さない比嘉の姿が溶け込んだ。(福島県いわき市/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた)
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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