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夫人の”裏プロアマ”も…ダイキンレディス30年、肌寒い沖縄に財界人が集う理由

◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス ◇琉球GC(沖縄県)◇6617yd(パー72)

国内女子ゴルフツアーのシーズンインを告げる「ダイキンオーキッドレディス」開幕前日のプロアマ戦は、財界トップたちの交流の場ともなっている。南国としてはまだ肌寒い時期に、日本を代表する大手企業の経営者が一堂に会し、大会は「沖縄と本土をつなぐ架け橋」の役割を担ってきた。

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30回目を迎えた今年は、一層盛大になった。1日(水)に過去最高の50組(1組にプロ1人)でプロアマ戦を実施した。ゴルフの腕前を披露した150人の財界人の中には、御手洗冨士夫・前経団連会長(キヤノン会長)らの姿もあった。前日の2月28日(火)には著名人も呼んで、約600人で前夜祭を開催。パーティでは沖縄県の名産品が振舞われた。主催するダイキン工業は「前夜祭とプロアマを含めて、1泊2日で沖縄を知ってもらう狙いがある」(広報担当者)と説明する。

1988年に第1回大会がスタートした。沖縄県は72年の日本復帰から16年を経過していたが、バブル景気に沸く本土の経済事情とは大きくかけ離れていた。当時、沖縄への観光客は年間241万1700人。昨年の793万6300人の3分の1以下で、「沖縄の認知度は、今とはまったく違う」(県観光政策課)状況だった。

前年の1987年、琉球放送(RBC)で当時社長だった小禄邦男氏が「どうにかして沖縄を本土に発信したい」と、女子ゴルフトーナメントに目を向けた。親交のあった中山素平・元日本興業銀行頭取(故人)を介して、山田稔・ダイキン工業社長(故人)にスポンサーを要請した。中山氏は「やるからには財界トップを沖縄に集めよう」と、主催者が取引先を招待するというプロアマ戦の慣例を覆した。

“財界の鞍馬天狗”として東京を中心に幅広い人脈を持つ中山氏と、本社を大阪に構え関西圏で広く知られた山田氏が、本土の経営トップらにプロアマ戦出場を呼びかけて回った。小禄氏は沖縄県の企業を集め、第1回大会のプロアマ戦にはソニー創業者の井深大氏(故人)、日本IBMの椎名武雄元会長ら約100人が集まった。本土から来た財界人の中で、沖縄県を訪れた経験があったのは3人だけだった。「それだけ当時の沖縄は、本土の人間から見ると未知の部分が大きかったと聞いている」(ダイキン広報)。

回を重ねるごとに、県民からの大会への支持も高まった。1995年の阪神・淡路大震災の影響でダイキン工業の業績が落ち込み、大会が存続の危機に陥った際は「この大会をやめてはいけない」との声が相次いだという。

今では”裏プロアマ戦”なるものまで実施されている。前夜祭の翌日、財界人はプロアマ戦に出るが、同伴してきた夫人たちは暇を持て余していた。そこで10年以上前に始まり、現在も続いているのが、琉球GCから車で15分のザ・サザンリンクスゴルフクラブで行う“奥方”向けのゴルフコンペ。今年は37人の夫人が出場し、平瀬真由美、服部道子森口祐子といったプロも参加して好評を博した。ダイキン工業は「(将来的に)ぜひ宮里藍選手にもオファーを出してみたい」とする。

大会は地元・沖縄のアマチュアゴルファーを数多く出場させ、ジュニア育成にも大きく貢献してきた。6年ぶりに出場した宮里ら地元出身の選手たちは「この大会は沖縄にとって特別なものなんです」と声をそろえた。(編集部・林洋平)

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