岐阜で行われている日本オープンのマークは織田信長がモチーフ

◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 3日目 (14日)◇岐阜関カントリー倶楽部 東コース(岐阜)◇7180yd(パー70)

永禄10年（1567年）、美濃を攻略して「井の口」と呼ばれていた町を「岐阜」と命名し、ここを本拠地として天下統一を目指したのは織田信長だ。ちょうど450年を経た今年、岐阜関カントリー倶楽部では「ゴルファー日本一」の称号を争う戦いが行われ、大会ロゴマークは信長公がモチーフになっている。

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場内のショップでは、信長エンブレムの入ったオリジナルグッズが好評だ。大会3日目までにロゴ入りキャップが約1000個、チップマーカー（プラスチック製ボールマーカー）が約800個売れた。国内復帰戦とした石川遼もこのデザインに心を惹かれ、ポケットに現地で手に入れたマーカーを忍ばせていた。

日本ゴルフ協会（JGA）は2004年以降、主催する3オープン競技（日本オープン、日本女子オープン、日本シニアオープン）で、大会ごとに「プロモーションマーク」を制作している。「全米オープン」など米メジャー大会に倣ったもので、近年では那覇ゴルフ倶楽部で行われた12年日本オープンのシーサーが入ったデザインも目をひいた。

プロモーションマークの準備は、大会開催の数年前に始まる。今回、コース側との折衝が開始されたのは、2014年8月中旬。JGAのマーチャンダイジング（MD）担当スタッフとデザイナーらが、岐阜関カントリー倶楽部を訪れた。提示された6案には信長のほか、刃物の産地・関市の日本刀を合わせたもの、コースのエンブレム、鵜飼いで知られる長良川の鵜をモチーフにしたものなどがあった。

JGAは同年11月、4案を追加。隣接する岐阜市が今年「信長公450（よんごーまる）プロジェクト」と銘打って観光政策に取り組んでいることもあり、「信長エンブレム」の選定に至った。

2017年日本女子オープン（左上）、17年日本シニアオープン（右上）、19年日本オープン（左下）、20年日本オープンのマーク※JGA提供

ちなみに9月の「日本シニアオープン」では会場のザ・クラシックGC（福岡）の18番ホールにある噴水、同月の「日本女子オープン」は我孫子GC（千葉）のモミジの木をデザイン化した。

日本オープンに関しては、横浜CC（神奈川）で開催される2018年大会のマークは作成中。古賀GC（福岡）での19年はコースの松林と玄界灘、紫CCすみれC（千葉）が舞台の20年は紫色を基調にし、クラブハウスの特徴的な「M型」の屋根をイメージしたものが完成している。

開催コースはJGAの承認を得た上で、マークを使ってプロモーションを展開できる。宣伝用のポスターや看板はもちろん、コースのレストランではこれまで箸袋やドリンクコースターが作られてきた。一般ゴルファーらへの大きなPRになり、ゴルフ場の知名度の向上につながっている。

JGAの林忠男MD担当係長は、マークの周知について「“継続は力なり”だと思っています。今後も開催コースとJGAで話し合いを進め、このデザインを使った商品展開を進めていきたい」と話した。ナショナルオープン＝天下一決定戦のブランド力強化へ野望は尽きない。（岐阜県関市／桂川洋一）