高麗グリーンにそそぐ愛情

3歳の愛息と。ふたりの会話には、英語と日本語が入り混じる

「芥屋はプロの大会も開かれていて、（キーパーを）やってみたいと思った。一番はどうすればキレイに転がるかなあと思って。ベント、バミューダ、ポアナ、種類は違うけれど、目標は同じなんです。“この時期に何をやるか”というタイミングだけが違う」。グリーンを作る芽の数は、そこに注ぐ愛情の量と比例した。

「毎年、もう米国に帰ろうかなと思う時もある」という。「でも福岡もいい街で、オーナーさんたちも良い人たち。コース（管理）のみなさんも優しくて、よく働く。いつまでいても良いかなとも思う」。日本人女性との間に生まれた息子エヴァレットくんは、福岡ソフトバンク・ホークスの大ファン。まだ3歳だが、選手の名前もみんな知っている。

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2年前から海外メジャー「マスターズ」の観戦に訪れるようになった。一面緑のオーガスタナショナルGCは、その道のプロフェッショナルの目にも圧倒的に美しく映る。「もう…ありえないくらいのキレイさです。素晴らしい。特別なものですね」

だからいま、思う。「ここは日本一難しいかもしれないけれど、そういう素晴らしいところに持っていきたい。設計はすごくいいからポテンシャルはあるはず。芝が良くなれば。“世界の芥屋”にしたい」

芥屋ゴルフ倶楽部のコース管理棟は、高台のクラブハウスからは離れた場所にひっそりとあった。1打を争う華やかなトーナメントの舞台裏に、芝1本に全力を注ぐ人がいる。（福岡県糸島市／桂川洋一）