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名門・大洗GCと震災風評被害

「ダイヤモンドカップ」開幕直前、ジャンボ尾崎が言った。「日本で有数のコースだからね。ちょっとしたミスをなかなか許してくれないところがある。よっぽどしっかりしたゴルフをして、それを続けなくてはいけない」。茨城県は太平洋、鹿島灘に面する大洗ゴルフ倶楽部は今年、10度目の同大会開催となるだけでなく、日本タイトルを争うトーナメントも数多く行われてきた国内屈指のコースであることは、多くのゴルファーに知られている。

しかし2年前の3月11日、東日本大震災の“影響”を受けたのは、同コースも例外でなかった。大洗町の市街にも津波は押し寄せ、ライフラインは一時的に停止。ところが、倶楽部や地域にとって本当に深刻だったのが、その後の風評被害だった。

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同町の産業は漁業、農業、そして海水浴が盛んな大洗海岸に代表される観光産業がメイン。それぞれが原発事故に端を発した打撃を受けた。そしてこのゴルフ倶楽部も被災直後から「海側のホールが津波にやられてしまった」という、まことしやかな噂が。しかし、これは根も葉もないデマと言えたのだ。

大洗GCはシーサイドコースとはいえ、海抜平均19~20メートルの高台にある。そのため、プレーを妨げるような深刻な被害はなかった。電気、水道の復旧を2週間待ち、同月30日には通常営業を再開。染谷寛支配人は言う。「コース自体は何ともなかったんです。クラブハウスのダクトが一つ壊れ、壁が少し剥がれ落ちて、あとは給水タンクにヒビが入った程度でした。ここはね、20メートル掘ると岩盤に当たる。もともとは水の確保が難しいゴルフ場なんです」

同倶楽部はその後、被災者の避難所としても活躍した。敷地は3分の1が茨城県、残りは大洗町の土地であり、かねてから災害時の避難場所に指定されていた。会員制のプライベートクラブとはいえ「ここは公共用地、100%が借地のゴルフ場。だから地域密着、共存共栄でやってきました」と支配人。ロッジを開放し、数世帯の家族を受け入れた。

大洗町はその後、関東近県で積極的にキャンペーンを行い、復興への道を探った。大洗海岸は昨夏、一昨年に比べ6割程度の来場者が戻ってきた。そして倶楽部も2011年度は1953年の開場以来、県内からの来場者数が最低の数字だった。しかし以降、メンバーの紹介、協力を仰いで月に4度、年間48回のオープンコンペを低料金で実施。回復傾向を示しているという。

今年、トーナメントが掲げる謳い文句は「復活、大洗。」。60周年を迎えた記念すべき年に、元気な姿を目いっぱいアピールする。(茨城県大洗町/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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