選手コメント集/中日クラウンズ 初日
2013年 中日クラウンズ
期間:05/02〜05/05 場所:名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知)
アンダーパーがただ一人 “冬景色”が予告した荒れ模様
名古屋市からほど近い愛知県東郷町にある名古屋ゴルフ倶楽部 和合コースの高台からはこの2日(木)の早朝、美しい山々が望めた。北東約100キロに位置するのは岐阜県と長野県にまたがる御嶽山。地元では見慣れた冬の景色だが、「中日クラウンズ」が開催される時期にお目見えするのは、極めて珍しいそうだ。
季節外れの風景が予告したかのように、今年54回目を迎えたクラウンズの初日は荒れに荒れた。冷たく、そして強い風がコースを猛然と吹き抜け、選手たちのボールを飲み込んだ。アンダーパーをマークしたのは近藤共弘ただ一人(1アンダー)。
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2週前の国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」第2ラウンドも暴風に悩まされ、ベストスコアがイーブンパー(3人)という状況だったが、和合の硬く締まった高速グリーンは健在。加えて、今年のコースを難しくしているのがグリーン周りの生えそろっていない芝と指摘するプロも多い。上田諭尉はスコアを見ながら「これはジャパンオープンか」。御年70歳の安田春雄も「こんなのは初めて」。選手たちの表情は一様に疲労感でいっぱいだった。
リーダーボードに燦然と唯一の赤字(アンダーパーを示す)を残した近藤は、愛知県出身で中学生の時に和合を初めて回った。大会に持ち込む意気込みはもちろん人一倍で、2008年大会を制している。しかしながら「思い入れもあるし、何とかしたいけど、どうにもならないコース」と苦笑いする。「勝ったけれど、失敗した経験の方がはるかに多い。今の技術を持って、初めて回った方が良いスコアが出る」。
この日の選手たちの脳裏には、有り余るほどの失敗体験が刻まれたはず。そんな“悪夢”をいかに振り払い、新鮮な気持ちで臨めるかも、残り54ホールの戦いのポイントとなるかもしれない。(愛知県東郷町/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw