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奇跡の大逆転を諦められない谷口徹

大会2日目の降雨により54ホールの短縮競技となった国内男子ツアー第22戦「三井住友VISA太平洋マスターズ」は鈴木亨が通算11アンダーの単独首位に立って13日(日)の最終日を迎える。2打差の2位にはアマチュアの松山英樹。そしてトップを3打差で追う3位タイグループに、大逆転賞金王を狙う谷口徹がつけた。

この第2ラウンドは「69」で3ストローク伸ばし、上位をキープした谷口。17番では3メートル、最終18番でも2メートル弱のバーディチャンスを逃しただけに、笑顔は少なかったが「明日、まだあるんで十分です」と静かに話した。

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ここまでの賞金ランクは9位。トップを快走するベ・サンムン(韓国)には約8500万円の差をつけられている。だが43歳は2002年、07年に続く自身3度目の賞金王を諦めていない。「あと3勝。可能性は厳しいけど、ゼロではない」

苦い、苦い、忘れられない過去がある。「昔、やられましたから」。11年前の2000年。賞金王レースのトップを走っていた谷口は、最終戦までの4試合で3勝を挙げた片山晋呉に大逆転され、賞金王戴冠を逃した。片山の4試合での獲得賞金は約8900万円。最終戦の「ファンケルオープンin沖縄」で片山に次ぐ2位に終わり、約128万円差でかわされた。奇跡的なドラマの悲劇のヒーローとなり、涙を流した。

今季初勝利を挙げた先月の「ブリヂストンオープン」では、「一緒に回りたい」と、その実力を認めるべとの同組ラウンドを心待ちにしていることを公言。しかしこの日は「そんなんどうでもいい。勝つことが目標。こだわっていない。マッチプレーならまだしも、ストロークプレーだから優勝するのが一番」と切り捨てた。サングラスを外した両目が、本気になった。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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2011年 三井住友VISA太平洋マスターズ



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