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体重66.6kgに増やしました 今平周吾・賞金王の肉体作り

◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)

ちょうど1年前、今平周吾はインドネシア・ジャカルタにいた。賞金王に輝いた日本ツアーのシーズンを終え、さらなる世界ランクアップを目指して、アジアンツアーのシーズン最終戦「インドネシアマスターズ」にスポット参戦した。望ましい結果が出なかった最終日。コースからホテルに帰るなり、5階フロアのプール脇にあるジムで息を荒くした。

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渡辺研太トレーナーのスマートフォンには、当時の写真がまだ残っている。「もうダメ…」と言わんばかりにへたり込み、床の上で大の字になった今平は目をつむり、そして笑っていた。日本への帰国便はその日の深夜。試合が終わってからまだ数時間。“パッキング”を控えていたにもかかわらず、最大限に過酷なトレーニングを志願してきたという。

“AON”と片山晋呉に続く、史上5人目の2年連続賞金王という快挙がかかった今季は、メジャーをはじめ海外を転戦した。海外勢の腕っぷしに圧倒され飛距離アップも模索したが、ベースにあったのは「まずは1年間、戦いきれる体を作ろう」という考えだ。

昨年は腸腰筋に痛みが出たり、それ以前に抱えたけがを癒したりする時間を多く費やした。「正直言って、今年もまだ下準備でした」と渡辺トレーナーは言う。2月、転戦の合間を縫って行った10日間のグアム合宿で徹底的に体を作り、試合の週も2日間はトレーニングに充てた。

各部門で高水準にある今平の日本でのスタッツは、昨季とほとんど同じだ。平均ストロークは続けて1位で、ほかの各部門ではトップ5前後にいる。大きな変化は出場が5試合増え、キャリア最多の32試合になったこと。いずれも海外のゲームばかりで、長距離移動や時差調整を伴うのは言うまでもない。

選手会長は脱帽

「賞金王になった次の年って、メジャーやWGCに出られる分、スケジュールが前年と全然違うんです」と言うのは、2009年にその座に就いた、現選手会長の石川遼である。

「周吾は日本ツアーのことも考えて、試合にもたくさん出てくれている。選手会長としては頭の下がる思い。これだけの安定感を保ったまま、ここまで来られるのは正直、脱帽です。飛距離を伸ばすためにスイングを変えたり、彼も向上心がすごくある選手。僕には、周吾が狙いを“賞金王”に絞って、国内に専念しているようには見えない。あくまで自分のゴルフを追い求める。そういうスケジュールに感じる」

うまくなりたい、より高いレベルを知りたい。そのために故障をするわけにはいかない。好成績を残しながら、将来を見据えた一年間の日程を完遂した。

今平はもともと体重が減りやすい体質で、今年は中盤から月に数百グラムずつ、ゆっくり増やしていく方針を決めた。一昨年63kgだった体重は昨年末65㎏に、今年は1年を通して67㎏前後で安定した。試合期間中、コース入り後にストレッチ、ウォーミングアップをしてからゴルフウェアに着替え、練習場に向かう前に体重計に乗るのが日課だ。

2019年12月8日(日)。シーズン最後の朝、ディスプレイに表示された数字は「66.6㎏」。賞金王という肩書を守るだけではない。もっともっと先を見据えてティイングエリアに立った。(東京都稲城市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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