2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン

「水よりビールが安い」はホント? ドイツの“ギャラプラ”をのぞく

2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 ドイツのコースでの食事メニュー
左上から時計回りにチーズとハムのサンドイッチ、ホットドッグ、フローズンヨーグルト、ハンバーガー

ドイツには国内に1000以上の醸造所があり、種類も5000は下らないと言われる。巷では「ドイツは水よりビールの方が安い国」と言われるほどだ。実際のところはどうか。結論から言うと、「まあ、そういうものもある」というのが正しい。スーパーマーケットの陳列棚を眺めると、確かに1缶1ユーロ(約129円)前後のビールもあるし、2ユーロする水もある。もちろんもっと高いビールも、安い水もあるわけで、一概には言えない。

では、仕入れ先が限定されているイベント、例えばゴルフトーナメントではどうだろう? 同国北部のハンブルク郊外で行われた7月末の欧州ツアー「ポルシェヨーロピアンオープン」のギャラリープラザ(通称ギャラプラ)に立ち寄ってみた。

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■ ビールは452円

2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 ポルシェヨーロピアンオープン
言わずと知れたドイツの自動車メーカー・ポルシェがバックアップする大会がハンブルク郊外で行われた

会場で販売されていたドリンクは銘柄と価格が各店舗で統一されていた。ギャラプラのメニューを見ると、炭酸入りの飲料水が500mlで3ユーロ(約378円)。コーラなどのソーダ系ジュースが500mlで3.5ユーロ(約452円)だ。

で、肝心のビールはというと…一番安いもので3.5ユーロだった。ただし、こちらは333mlの値段。「水よりビールの方が安い」は間違いで、厳密に量を比べればコーラよりも高い。とはいえ、「コーラひとつください」と「ビールひとつください」は同じ値段。というか、「コーラ、高っけえな!」と思わされてしまうのだった。

■ プレッツェル売りの少女

2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 プレッツェルの売り子
コース内には荷車でプレッツェルを売る女性も

ビールに合うおつまみ、食事はどうか。ショーケースには日本や米国、英国とは違う表情があった。仮設の建物の中にあった店舗には、ゴーダチーズやハムを乗せたパンが、街のカフェのような佇まいで並んでいる。それぞれ5.5ユーロと6.5ユーロ。どちらもスモーキーな味わいだった。

同じ店舗にはタルトなどのペストリーやクッキー、ドイツ菓子のプレッツェル(2.5ユーロ)も。連日の炎天下で、こんなの売れるんか…という気もしたが、小さな荷車でコースを練り歩く売り子さんがいたので、それなりに商売になるのだろう。

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「ドイツと言えばソーセージ」でもあるけれど、それらしきものは移動販売の車にあったホットドッグだけ。ただ、ソースが一味違う。キムチドッグやスパイシードッグ、ベジタブルドッグなど数種類(5.5ユーロから)あった。

■ 米独ハンバーガー対決

2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 ハンバーガー
ハンブルクのハンバーガー

ちなみにハンブルク(Hamburg)はハンバーグやハンバーガー(Hamburger)発祥の地ではない。ハンバーガーはアメリカ発祥(その昔、ハンブルク出身の人がひき肉の塊を焼いたものを見た米国人が、ハンバーグと呼んだのが語源だとか)。

でも正直言って、米ツアーの会場で食べるハンバーガーより、こっちの方(5.5ユーロ)が断然おいしい! 中身はミディアムレアのハンバーグとトマト、レタス、ちょっとスパイシーなクリームソースとシンプルだけど、なにせパン(バンズって言うのか)がおいしい! 米国だと注文後5秒でパン(バンズって言うのか)に肉を挟んだアルミホイルを渡されて、「ケチャップとかマスタードはカウンターの脇にあるから、ご自由にどうぞ」というケースが多いが、こちらでは青い髪をしたお姉さんとタトゥーだらけのお兄さんがこだわって作るため、少々お時間がかかります。

デザートで人気だったのが18番ホールのスタンド裏にあったフローズンヨーグルト、アイスクリームの売店。自分で生の果物やチョコレートなどのフレーバーを選ぶと、それとフローズンヨーグルト(またはアイス)と混ぜてミキサーにかけたものが出てくる。いわゆるインスタ映えしそうなスイーツは、大きさミディアムで4ユーロなり。

■ ポルシェがスポンサーする大会

2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 コーテシーカー
選手を送り迎えするのはもちろんポルシェ

ちなみにこの試合はもともと英国で行われ、2015年からドイツで開催されるようになった。昨年から大手自動車メーカーのポルシェが冠スポンサーにつき、場内には高級車がズラリ。欧州ツアーは各大会が用意するコーテシーカーで、選手をホテルからコースに送迎するのが一般的(米ツアーは各選手に大会期間中に車をレンタルするケースがほとんど)。

今大会に出場した選手はもちろんポルシェ通勤! ただし、これは指定されたホテルとの間を結ぶもので、日本勢3人は別のホテルに泊まっていたため、谷原秀人はレンタカー、宮里優作片岡大育は大会のバスでコースに通った。みんな、できる限り節約するんです。

また、車メーカーがスポンサーとなる大会では定番になりつつあるが、今大会もポルシェ車のオーナーだけが自由に出入りできる仮設ラウンジがあった(車のキーがラウンジへの入場券代わりになることが多い)。今大会はホールインワン賞(もちろんポルシェ)がかかった17番(パー3)のグリーン脇に設置。池のほとりでオーナー様たちが優雅なひとときを過ごしていた。

■ 再びギャラプラに

2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 ポルシェ
ポルシェミュージアムから持ってきたクラシックカー

食事以外にも、ギャラプラには車の展示はもちろん、レーシングのアーケードゲームがあったり、クラシックカーがあったりと来場者に“ポルシェ体験”を提供。同社はポルシェデザインという時計やウエア、雑貨のブランドも展開しており、スペースの一角で販売していた。

ゴルフショップをはじめとした他社のテントも並んでいて、ゴルフ場やリゾート施設の紹介や、健康器具のお店も多かった。中でも目を引いたのが、セルフプレー用の手押し車の店舗。ドイツ発祥の「PG-POEWRGOLF」というメーカーで、折り畳み可能なカートを、一般ゴルファーのほとんどがセルフでラウンドする欧州で販売しているという。

2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 セルフプレー用の電動カート
ギャラリープラザで売られていた電動の手押しカート。黒いバッテリーをつけるだけで驚くほど軽くなる

一番安い650ユーロ(約8万4000円)のタイプから10種類以上あり、最も高いのは4190ユーロ(約54万円)! 家庭用の電源で充電できる小さなバッテリーを装着すると、これが驚くほど軽く動かせる。1回のフル充電で、2、3ラウンドは回れるそうだ。

それにしてもカートに50万円…。とてもじゃないが、手が出ない。指すら動かない。

まあ「コーラ、高っけえ!」「カート、高っけぇ!」とか言っている時点で、僕はきっとポルシェにはふさわしくない。(ドイツ・ヴィンゼン/桂川洋一)

2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 プレッツェル
ドイツと言えばプレッツェル。ちょっとしたお菓子も多かった
2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 ギャラリープラザ
カフェみたいなフードメニューも
2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 ハンバーガーショップの店員
見た目が怖いハンバーガーショップの店員さん。でも話すとそうでもない。ハンバーガーはうまい
2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 ホットドッグ
ドイツと言えばソーセージ。ホットドックはソースのレパートリーが豊富だった
2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 サンドイッチ
ゴーダチーズと燻製ハムのサンドイッチ
2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 ポルシェ
最新型のエコカーも展示
2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 ポルシェ
バックヤードには展示用のポルシェがズラリ
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桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw
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