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“米国へのこだわり”を捨てて強くなった 中島啓太が欧州に来て変わったこと

◇欧州男子◇ヒーローインディアンオープン 最終日(31日)◇DLF G&CC(インド)◇7416yd(パー72)

「欧州ツアーで、長くプレーするっていうのも悪くない」。中島啓太から前週「シンガポールクラシック」で聞いた言葉が、少し意外だった。タイガー・ウッズに憧れてゴルフを始め、アマチュア時代からPGAツアーにこだわってきた。そう思うようになったのは、いつからだろう。

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欧州ツアールーキーの今季出場6戦目、初日から首位を守って“完全優勝”を果たした。「アメリカに行きたい。ヨーロッパももちろん良いけど、今は正直考えていなくて。コーンフェリーツアー(米下部ツアー)からPGAに行く方を目指していきたい」と話していたのは、昨年日本での賞金王争いが決着する前。はっきりと描いた米国への道は、昨年12月に一度閉ざされた。2024年PGAツアー出場権をかけた最終予選会で45位。資格を得られる5位までに遠く及ばず、コーンフェリーツアーの出場権すら限定的となった。

日本ツアー賞金ランク1位で出場資格を得た欧州ツアー参戦は“次善策”だった。PGAツアーに昇格できる年間ポイントレース(レース・トゥ・ドバイ)で、米ツアー出場権の有資格者を除く上位10人を目指し、「来年アメリカにいられれば、一番いい」と切り替えた。

今季初戦の1月「ラアス・アル=ハイマ選手権」で4位に入ったが、その後が続かず2試合で予選落ち。予選カットのプレッシャーと戦いながら「全然いい状態ではない」と苦戦する日々が続いたが、同時に腹をくくるきっかけにもなった。

アマチュア時代から、何よりも「準備」を大事にしてきた。数試合を終えただけで、米国で戦う準備がまだ整っていないと突きつけられたようで、足りない部分が見えてきた。「いろんなボールを打たなきゃいけないから、日本でやっていたスイングをキープするのが難しい。毎週違うコースで、調子を上げていくのもちょっと難しい」。欧州だけでなく、中東、アフリカ、アジア諸国…。初めての国で、初めてのコースを回りながら、海外選手のプレーを見て学ぶことも多かった。まだ、ここで積むべき経験はたくさんあった。

「自分が23歳っていうのを忘れないように、焦らずに、ゆっくりいきたい。まずは来年日本に帰ることがないよう、欧州ツアーでシードをとらないと」と、腰を据えようと決めたのは、ここ数カ月のことだった。

自身初のインドでの試合で、2位に4打差をつけて初優勝。これで年間ポイントレースは13位に浮上し、PGAツアーへの昇格も近づいた。アマチュア時代から、世界中の人から応援される自分の姿を夢見てきた。「そのためには準備をして、結果を出すことが必要。将来どんなふうになっていくのか、僕も楽しみです」。当時ぼんやりと浮かべた未来図が、だんだんはっきり見えてきた。(編集部・谷口愛純)

谷口愛純(たにぐちあずみ) プロフィール

1992年生まれ。社会部記者、雑誌の営業その他諸々を経てGDOに入社。ゴルフは下手すぎて2017年に諦める。趣味は御朱印集めと髪色を変えること、頭皮を想って最近は控えてます。

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