14歳から66歳、50の国と地域が集結/世界女子アマ・アラカルト
初日41オーバーで最下位 ウクライナのゴルフ事情とは?
2014/09/03 19:12
世界50の国と地域が参加して開幕した「世界女子アマチュアチーム選手権」の初日、首位に立ったのは9アンダーのカナダだったが、最下位に沈んだのは41オーバー!のウクライナだった。
出場3選手のスコアは、良い順に「87」「98」「103」。上位2人のスコアを合計すると、やっぱり41オーバーになってしまう。
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ウクライナといえば、最近はロシアとの紛争の暗いニュースばかりが飛び込んでくる。ウクライナ・ナショナルチームのコーチ、イゴール・ザトラフキン氏に話を聞いた。
-この試合に出るために日本に来るのは、大変なことでしたか?
「いいえ、そんなことはありませんよ。フランクフルト経由の長旅でしたが、いたって快適な旅でした」。
-あなたの国の実情を詳しくは知らないのですが、ゴルフをするのに影響はありますか?
「物理的にはないですね。でも、心理的にはあるでしょう。誰でも、自分たちの国の状況が良くなかったら、良い気分はしないですからね」。
イゴール氏によれば、ウクライナでのゴルフ人口はわずかに200人。そのうち、スポーツとしてゴルフをするのは、60人しかいないのだという。「だから、我々には選手を選ぶ選択肢がないんだよ」と、苦笑いで教えてくれた。
ウクライナ国内にはゴルフ場が4コースあり、うち3つは首都キエフにあるのだという。そのプレーフィーは約80ドル。ただし、国民の月収は「1000ドルあったら良い方」という経済事情を考えると、やはり超高額といわざるを得ないとのことだ。
それでも、今大会に出場することは、「彼女達がプロにならなくても、若い世代に経験を伝えてくれる。すごく意味のあることだよ」とイゴール氏は明るい笑顔で教えてくれた。
もう1カ国例を挙げると、ウクライナを2ストローク上回ってブービー発進のガボン共和国(アフリカ)には500人のゴルファーがいて、国内には5つのゴルフ場があるという。そのわずかな差が、結果にも現れたのだろうか。いずれにせよ、わざわざ遠く日本まで足を運んでくれたかの国の人々に声援を送りたい。(長野県軽井沢町/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka