ウェアにもユニオンジャック！マイペースで練習ラウンドをこなす小平智

今年の「日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills」でツアー初優勝を飾り、開幕戦から「ミズノオープン」までの獲得賞金上位2名の枠で、堂々の初海外メジャーの権利を掴み取った小平智。今日、火曜日は9ホールを回って、日、月の18ホールずつと合計して2.5ラウンドを消化。「何度回っても難しい」と首をひねるが、心なしかその表情は晴れやかだ。

「楽しいけど辛いですね、試合では」。フェアウェイを外すと深いヒース（ラフ）が待ち受け、バンカーも深い。「グリーンも硬いし、気を抜くところが無い」。初挑戦の小平にとっては、すべてが新鮮で難しい。幸い、ここ数日は天候に恵まれて、暖かく風も穏やかというのがせめてもの救いだが･･･。

＜＜　下に続く　＞＞

現地に入るまでもトラブルの連続だった。日本から到着したロンドン・ヒースロー空港では、エチオピア航空のボーイング787の火災事故の影響で、18時出発予定だったエジンバラ行きの飛行機が深夜2時まで飛ばず、なんとか辿り着いたエジンバラでは乗客全員の荷物が当然のように届かない。結局、クラブを含めたすべての荷物が届いたのは丸1日経った土曜日の夜中になり、当初土曜日から予定していた練習ラウンドもキャンセルせざるを得なかった。

それでも、小平の表情はやはり明るい。低い球を多用するなどしているが、日本でのプレーと大きな変更点はないと割り切っている。「最初の目標は予選通過。精神的に我慢できれば。切れないようにやるのが大変です」。淡々と語る小平だが、ふと話を軽めにすると「楽しいですよ」とすぐ笑顔が戻る。それはまるで、23歳の若者が未知のリンクスコースに喜んで体当たりするかのようだ。（英国ミュアフィールド／今岡涼太）