初出場の岩田寛 「全米プロ」の先に見えるもの
2015年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/13〜08/16 場所:ウィスリングストレイツ(ウィスコンシン州)
全米プロ連覇へ照準を合わせてきたマキロイ
ロリー・マキロイが今週のウィスリングストレイツで劇的な復帰を果たす。同地で開催される2015年のメジャー最終戦である「全米プロゴルフ選手権」には、世界ナンバーワンのマキロイを含む53人のヨーロピアンツアーメンバーが出場する予定となっている。
マキロイは「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」の前日に左足首に重傷を負って以来、大会から遠ざかっており、その間、タイトル防衛の懸かっていた「全英オープン」と「WGCブリヂストンインビテーショナル」を欠場している。
<< 下に続く >>
しかし、懸命のリハビリ期間を経た今、マキロイは昨夏獲得した3つ目のタイトル防衛に向けた準備が整ったようである。先日、初日と2日目の組み合わせが発表され、メジャー4勝のマキロイは、米国のジョーダン・スピースにザック・ジョンソンと、今季のメジャー王者たちと木曜と金曜の予選ラウンドをプレーすることが決まっている。
今季はスピースが「マスターズ」と「全米オープン」を制覇し、ザック・ジョンソンが先月の「全英オープン」を制しているため、今回の「全米プロゴルフ選手権」はヨーロピアンツアーメンバーにとって、2015年におけるゴルフ界最大の栄冠を手にする最後のチャンスとなる。
ここ最近の歴史を振り返るとこの大会は欧州勢に分があると言え、2008年以降、パドレイグ・ハリントン(2008年)、Y.E.ヤン(2009年)、マルティン・カイマー(2010年)、そしてロリー・マキロイ(2012年、2014年)と、5回にわたりヨーロピアンツアーメンバーが「全米プロゴルフ選手権」制覇を果たしている。
前回ウィスリングストレイツで同大会が開催された際に栄冠に輝いたのがドイツのカイマーで、彼はプレーオフの末に米国のバッバ・ワトソンを退けてワナメーカートロフィーを手にした。
初めの2日間をメジャー14勝のタイガー・ウッズ、そして2011年の「全米プロゴルフ選手権」王者であるキーガン・ブラッドリーとラウンドすることになったカイマー。2014年の「全米オープン」王者でもある彼は、メジャー初優勝を果たして大躍進を遂げた地への再訪を楽しみにしている。
「僕にとってウィスリングストレイツは世界でトップ3に入るゴルフコースで、それは何もあそこで成功を収めたからというわけではなく、コース全体の設定が理由なんだ」とカイマー。「プレーするのに美しいところなんだ。周りの景観が本当に素晴らしいんだよ。何分か待たされることになっても気にならなんだ。湖や砂丘を眺めていられるからね」。
「リンクススタイルのプレーに少し似ているところがあって、どのみち僕はそれをエンジョイできるし、もちろん2010年に経験したあの素晴らしい思い出があるから、それら全てが合わさって、今週は素晴らしい週になるだろうね。木曜にティに立つのを楽しみにしているよ」。
先週のオハイオで見事2打差の勝利を挙げ、マキロイから「WGCブリヂストンインビテーショナル」の王座を継承したアイルランドのシェーン・ローリーは意気揚揚とウィスコンシンへ乗り込むことになる。親友のマキロイ同様、彼も勢いそのままに連勝で「全米プロゴルフ選手権」のタイトルをものにしたいと望んでいることだろう。
一方、2015年は「マスターズ」で2位、そして「全英オープン」で6位タイに入っているイングランドのジャスティン・ローズは、ファイヤーストーンCCで3位に入った勢いを更に加速させたいところだ。
今大会で「全米プロゴルフ選手権」デビューを果たすヨーロピアンツアーメンバーは、ティレル・ハットン、ジェームス・モリソン、エディ・ペパレル、そしてアンディ・サリバンのイングランド人カルテット、アルゼンチンのエミリアーノ・グリージョ、そして「BMW PGA選手権」を制したアン・ビョンフンの6人。このなかではグリージョのみがメジャー自体初出場となる。
また、ソレン・ケルドセンは今週、ヨーロピアンツアー史上30人目となる同ツアー500回出場を達成することになる。彼のナショナルオープンである「メイド・イン・デンマーク」の前週に、ケルドセンはデンマーク人選手としては初めて、そしてヨーロッパでは8人目の選手として記念すべき一里塚に到達する。