ボルボ中国オープンの下馬評
2017年 ボルボ中国オープン
期間:04/27〜04/30 場所:トップウィンG&CC(中国)
プレーオフを制したレビが中国で戴冠
トップウィンG&CCでプレーオフの末にディラン・フリテッリを退けたアレクサンダー・レビが「ボルボ中国オープン」を制覇し、大会史上初めてとなる複数回優勝を果たした。
2014年大会を制したレビは、首位と7打差で最終日をスタートするも、最終ホールでバーディを奪って「67」でホールアウトし、通算17アンダーとして南アフリカのフリテッリにプレッシャーをかけた。
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最終ホールの2打目をギャラリーテントに打ち込んだフリテッリは、このホールをパーとし、最終日を「74」でラウンドして、再度18番ホールをプレーすることとなった。
プレーオフ1ホール目では、ティショットでレビがフェアウェイを捉えたのに対し、フリテッリはティショットを右へ曲げてバンカーに捕まるも、レビが2打目をバンカーへ打ち込んだことで、両者共にバーディパットを残すパッティング勝負となった。
フリテッリがそのバーディパットを外すと、レビは4.5メートルをねじ込んで勝利を決め、キャディのトム・エイリングに最高の誕生日プレゼントを贈った。
昨年9月の「ポルシェヨーロピアンオープン」をプレーオフの末に制したレビにとって、今回の優勝は、プレーオフ2連勝での優勝となったわけだが、中国で開催された2014年の「BMWマスターズ」ではプレーオフで優勝を逃していただけに、本人にとって大きな励みとなる勝利になったことだろう。
2016年の「オーストラリアPGA選手権」でもプレーオフで敗れたフリテッリにとっては、今回でプレーオフ2連敗となったわけだが、一方、これでヨーロピアンツアー4勝目となったレビは、2018年にル・ゴルフナショナルで開催される「ライダーカップ」出場を既に視野に入れている。
「フランスで開催される『ライダーカップ』でプレーするのは、僕のゴールであり、夢でもあるんだ。『ライダーカップ』でプレーするために頑張るつもりだし、チームに選出されるよう全力を尽くすよ」とレビ。
「また勝者の仲間入りができて信じられないくらい素晴らしい心持ちがする」。
「これは多くを意味するんだ。というのも、この大会は僕がヨーロピアンツアー初優勝を果たした大会だからね」。
「昨年は酷い怪我の後に勝つことができたけれど、再び勝利を重ねるのは僕にとってとてもタフだった。今日自分のしたことには、とても満足している」。
「僕のキャディにハッピーバースデーを言わないとね。今日は彼の誕生日なのだけど、とても良いプレゼントになったと思うよ」。
フリテッリを追い、2位で出たスペインのパブロ・ララサバルは最終日を「72」で回って通算16アンダーとし、その1打後方にはベルント・ヴィースベルガーとクリス・ウッドが入った。
ララサバルは1番で3パットのボギー叩くと、パー3の2番ではガードバンカーからの寄せワンに失敗し、フリテッリは瞬く間にリードを5打差に広げた。
首位を走るフリテッリは初めの4ホールで教科書通りのプレーを見せるも、フリンジからのパットが足元の近くまで転がって戻って来た5番で、44ホールぶりのボギーを叩いた。
しかしながら、フリテッリは7番で2打目をピンそば60センチにつけ、すぐさま通算19アンダーまでスコアを盛り返した。
パー5の8番では、ララサバルが見事な2打目を放ちながらもバーディを奪うに留まったが、フリテッリはバンカーからの寄せワンに失敗し、このホールをパーとした。
静かな立ち上がりとなったレビは、6番からの3ホールをバーディ、ボギー、バーディとすると、9番では目を見張る2打目をタップイン圏内につけ、「34」でハーフターンして首位のフリテッリに忍び寄った。
11番でもバーディを奪ったレビはこの段階でララサバルを捉えると、12番でフリテッリが大叩きをしたことで、一気に首位と2打差まで接近した。ティショットを木の後方に打ち込んだフリテッリは、ドロップを受けねばならず、その後、グリーン回りで2打のミスショットを犯したことにより、このホールをダブルボギーとしたのである。
すると、レビが短いパー4の15番でチップショットを寄せてバーディを奪ったことで、両者の差はわずか1ストロークとなった。
フリテッリは同ホールで見事ワンオンを果たし、2パットでバーディを奪って応戦するも、続く16番ではティショットを大きな岩の近くへ打ち込み、ファーストパットをショートしたことで、このホールをボギーとした。
それでも、4ホール連続で2メートル弱のクラッチパットを決めたフリテッリは、1打差の首位で最終ホールのティに立つも、2打で最終ホールのグリーンを捉えたレビがバーディを奪い、ドラマをお膳立てした。
「これは少し心が痛むね」とフリテッリ。「最後で勝利を手放してしまったけれど、僕は今週の自分のプレーを誇りに思っているし、これは素晴らしい成績だよ。このゴルフコースでの通算17アンダーは馬鹿にできないよ」。
「僕はアレックスを誇りに思う。彼は素晴らしいプレーでカムバックを果たしたんだ。ほとんどの人は、残り18ホールの段階で僕が勝利を手中に収めたと思っていただろうけれど、彼は勝利にしがみついて、プレーオフでは見事なプレーをしたんだ」。
「バックナインでは幾つかミスがあり、2度、運に見放されたこともあったけれど、良いところも悪いところも受け入れるし、これからのシーズンへ向け、また優勝争いができるよう励むよ」。
「僕は自分が勝てると確信しているし、できればそれが今季であればと思っている。それは達成すべき素晴らしいゴールとなるね。僕は長いキャリアを送りたいと願っているので、これで落ち込んだり、取り乱したりはしないよ」。
先週、プレーオフで深センを制したヴィースベルガーは「67」をマークし、最終日「68」のウッドと共に4位タイで大会を後にした。
2010年の大会王者であるYEヤンは、この日ベストの「66」をマークし、ロス・フィッシャーと並ぶ通算14アンダーで大会を終え、その1打後方にはジョージ・クッツェーが、そして2打後方にはホルヘ・カンピージョとイ・スミンが入った。