ガルシアが逆転優勝!3ホールのプレーオフで軍配
2014年 コマーシャルバンク・カタールマスターズ
期間:01/22〜01/25 場所:ドーハGC(カタール)
勇敢なるガルシア、スリル溢れる接戦の末に勝利
2014/01/26 08:45
コマーシャルバンク・カタール・マスターズ最終日は2年連続でセルヒオ・ガルシア(スペイン)が大会終盤に猛チャージをかける展開となり、今回はその猛チャージを勝利へと繋げトロフィーを手にする結果となった。
サドンデス方式のプレーオフ3ホール目でフィンランドのミッコ・イロネンを退けて優勝を飾ったガルシアが12ヶ月越しの雪辱を晴らした。彼は昨年この大会でジョージ・クッツェーと共に首位でホールアウトしながら、72ホール目にイーグルを奪ったイングランドのクリス・ウッドに1打差で敗れている。
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ノーボギーの「65」で最終日をラウンドし、暫定首位となる通算16アンダーでクラブハウスへと引き上げたガルシアだったが、最終ホールでは2.5メートルの重要なバーディパットを惜しくも外す形でラウンドを締め括った。その後、34歳のスペイン人が後続のプレーを傍観する中、16番と18番でバーディを奪い「66」でラウンドしたイロネンが首位に並んだ為、勝負はプレーオフへと持ち越された。
18番ホールを舞台に行われたプレーオフでは、両選手とも2オンに成功。グリーン上での勝負は、イロネンが9メートルのイーグルパットを外し、一方ガルシアもその半分ほどの距離のイーグルパットを決め切ることができなかった。
再び18番で行われたプレーオフ2ホール目では、イロネンが6メートルのイーグルパットを外したのに対し、ガルシアはグリーン脇のバンカーから寄せてバーディを奪うことに成功したため、2人は三たび18番のティへと戻ることになった。
そしてプレーオフ3ホール目でこの勝負はとうとう決着を見ることになった。今度はイロネンが前述のバンカーからのバーディ奪取に失敗し、これに対しガルシアはイーグルパットをギリギリのところで外しながらもタップインで楽々とバーディを奪い、ヨーロピアンツアー11勝目を飾ったのである。
最終ホールで4.5メートルのイーグルパットを外し、プレーオフに加わる絶好のチャンスを逃したトービヨン・オルセン、そして首位タイで最終日を迎えたラファエル・カブレラベローの2人は3位タイで大会を終えた。
カブレラベローもガルシアとイロネンを捕える上で72ホール目でのイーグルが必須となったが、グリーン奥からのチップショットはカップの1メートル手前に止まってしまった。
「いい気分だ」とガルシア。これで月曜日に更新される公式世界ゴルフランキングで、ガルシアは現在の11位からトップ10へと返り咲くことになる。
「面白いことに、今日は6アンダーか7アンダーで回れれば優勝の芽も出てくるかなと思ってスタートしたのだけれど、18番でこれを決めれば通算17アンダーになるという状況で去年と同じようなパットが残っていたんだ。良いパットだったけれど、残念ながら曲がり切らなかった」。
「プレーオフではバンカーからのバーディ奪取が鍵となった。優勝できて嬉しいよ」。
これまでヨーロピアンツアーに於けるプレーオフの通算成績が2勝4敗だったガルシアに、7度目のプレーオフに臨むにあたってプレッシャーは感じていたかと問うと、「ほとんどプレッシャーは感じていなかったんだ。というのも、すでに素晴らしい一週間を送っていたわけだし、おまけに優勝できたらそれはボーナスみたいなものだからね」という答えが返ってきた。
「実際のところ、(最終ラウンドの)18番でのティショットの方がプレーオフのときよりも確実にナーバスになっていたくらいだよ。多分、それが為に、(プレーオフでは)3回にわたって良いティショットが打てたんだろうね」。
過去7回訪れたカタールでは何れも25位以内に入る成績を収めているガルシアは、「これまでいつも言ってきた通り、ここは楽しんでプレーできるゴルフコースだし、ようやくトロフィーを手にすることができてすごく嬉しいよ。ここへ来るようになって8年になるけれど、これまで惜しいところで優勝を逃してきたからね」。
イロネンは最終ラウンドの18番ホールで拙劣なバンカーショットを打ったことにより、自身にとって初となるヨーロピアンツアーでのプレーオフの機会は潰えたかに見えたが、そこから6メートルのバーディパットを見事に沈め優勝へ望みを繋いだ。しかし、プレーオフ3ホール目でも同じバンカーから寄せ切ることができず、このミスが敗北を決定付けることになった。
「二人のうちどちらかがイーグルを奪わないと勝負は決しないと思っていた」と、かつて全英アマチュア王者に輝いたイロネンは述べた。
「同じ右前方のバンカーから、2度にわたって駄目なバンカーショットを打ってしまった。一つは規定ラウンド内で、もう一つはプレーオフでね。あの二つのショット以外は上手く行っていたのだけれど」。
「最終ラウンドでは目標に2打届かなかった。『64』で回れれば勝てると思っていたからね。今回はセルヒオの方が僕より僅かに優れていたというわけさ」。
「力強いスタートが必要だったし、8番まで4つスコアを伸ばしてそれを果たすことができた。それに、ラウンド終盤には5ホールで3つのバーディを奪って序盤の勢いを助長することができた。今週は良いゴルフがプレーできたから、そうがっかりしていてはいけないね」。