マスターズの招待状が誤送の珍事 同姓同名“スコット・ストーリングス”のもとに
2022年のヒストリーメーカーたち
昨年11月に幕を閉じた2022年シーズンは、1972年の「スペインオープン」でツアー最初の一打が放たれてから50年目となる節目を祝う歴史的なものとなった。
21カ国で43大会が開催され、いろいろな壁が打ち壊される中でさらなる歴史が作られた一年でもあった。
<< 下に続く >>
今回は2022年の歴史的な瞬間、その快挙を達成した人々について振り返ってみよう。
新時代の幕開け
昨季最初の大会は、ヨーロピアンツアーがDPワールドツアーへと変貌を遂げる、欧州ゴルフ界にとって新たな時代の幕開けとなった。DPワールドがシーズン開幕からメインツアーの冠スポンサーとなることで、両者の長年にわたるパートナーシップが大きな飛躍を遂げたのである。最初の大会となった「ヨハネスブルグオープン」ではスリストン・ローレンスが頂点に立った。新時代最初のティショットを放ったディーン・バーメスターは「素晴らしいパートナーシップだし、DPワールドツアーとは、なんて素晴らしい名なんだ。これは世界を股にかけたツアーであり、その最初のティショットを打つことができるなんて、こんな光栄なことはないね」と述べた。
G4Dツアーが産声
DPワールドツアーと欧州障がい者ゴルフ協会(EDGA)は以前からパートナーシップを育み、大会を開催してきた。2022年は、そのパートナーシップが障がい者ゴルフ(G4D)ツアーの開始という形でさらなる飛躍を遂げた。キップ・ポパートは同ツアー最初の大会となった「G4D@ベットフレッド英国マスターズ」を制覇すると、その後も3回にわたりトロフィを掲げた。新ツアーは5カ国で大会が開催され、「G4Dツアーシリーズフィナーレ@DPワールド ツアー選手権」で終幕を迎えた。同大会は昨季の「ロレックスシリーズ」で並行して開催された2つ目の大会であり、「G4D@BMW PGA選手権」では、障がい者ゴルファー世界ランキングのトップ10全員が出場した。
女性初の優勝者誕生
昨年は画期的な「ボルボ スカンジナビア・ミックス」の第2回大会が男女混合方式で開催され、DPワールドツアー史上初の女性王者が説得力のある形で誕生した。地元人気のリン・グラントは、2打差の首位で最終日をスタートすると、大歓声を上げるギャラリーの前で「64」をマークし、通算24アンダーまでスコアを伸ばして9打差の圧勝劇を繰り広げた。「とにかく女子ゴルフが人々にもっと認知されることを願っているし、この優勝により、LET(欧州女子ツアー)により多くのスポンサーがつき、女子ゴルフの地位が少しでも上がればと思っている」とグラント。「素晴らしい心持ちがする。今週はずっと、女子と男子の戦いであり、トロフィを獲得する人は誰であれ、フィールドの代表となると思っていた」
ポーランドの先駆者
これまでポーランドゴルフ界の先駆者としてプレーしてきたアドリアン・メロンクは、「アイルランドオープン」で母国のゴルフの歴史に新たな一章を記した。2019年に下部ツアー「ポルトガルオープン」を制覇してヨーロピアンツアーグループの運営する大会で優勝した初のポーランド人選手となり、さらにチャレンジツアーから昇格を果たして同国初のDPワールドツアーメンバーとなった。マウントジュリエットでは最終日の上がり4ホールでスコアを4つ伸ばし、ついにポーランド初のDPワールドツアー王者として名前を刻んだ。「僕らはこのために毎日練習している。ホッとしたし、とてもハッピーだね。僕はこれからも前進し続ける。これはその中の一歩。素晴らしい歴史のあるアイルランドで成し遂げられたことに興奮している。とにかく超興奮しているんだ。これを表現することはできないね」
五輪王者が初共催頂点
昨夏、DPワールドツアーとPGAツアーの初共催となった「ジェネシス・スコットランドオープン」により、両ツアーのパートナーシップが新たな地平に到達した。ルネサンスクラブに世界ランキング上位15人中14人が集う中、「トラベラーズ選手権」と「J.P.マクマナス プロアマ」を制したばかりだった世界11位にしてオリンピック金メダリストのザンダー・シャウフェレが「ロレックスシリーズ」初制覇を遂げた。「素晴らしい勝利だ。最初の大会で勝てて光栄だね」