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活躍の場はフェアウェイから除菌用ローション工場へ

全世界的な戦いになった新型コロナウイルスに、欧州ツアーメンバーが様々な形で自らの役割を果たそうと奮闘している。その一人であるスティーブン・タイリー(イングランド)は、クラブを置き、今は工場にてNHS(国民医療サービス)や英国の前線で従事する人々のために送る手の除菌用ローションを製造している。

2019年にフランスで開催されたチャレンジツアー「ル・ヴォードライユ ゴルフチャレンジ」でツアー初優勝を遂げたタイリーは、企業家である父のジョン・タイリーがニュートラクレスト社の栄養サプリメント製造ラインを手の除菌用ローションの瓶詰め工場へ変えたのを契機に、父親の手伝いをしている。

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製造する製品を変更し、瓶詰め機に調整を加えたことで、同社は一日に5千本のボトルを製造し、前線で働くNHS職員や医療従事者、地域の看護師、介護施設、薬剤師、学校、そして地域の郵便局へ手の除菌用ローションを提供できるようになった。

「ゴルフをしなくなった最初の数週間は、自分が何をすべきか考えていました」とタイリーは述べた。「ただ庭に練習用のボールがたくさん転がっているだけでした」

「父はエンジニアであり、科学者でもあり、新型コロナウイルスが襲来したとき、手の除菌用ローションを製造するアイデアを思いつきました」

「僕は最初のうちは、ブライトン病院へ除菌用ローションを届けているだけでした。ただ、工場で機械を操作できる人間が一人しかいなかったので、僕も早急に操作方法を習い、今では一日7時間、週4日のシフトで働き、より多くのボトルを出荷できるようにしています」

「社会的距離のガイドラインを守るため、一度に工場で働けるのは2人のみであり、僕も他の皆と一緒にローテーションに入っています。たまたまそのうちの一人がプロゴルファーで社長の息子だったというだけのことですよ」

「あまりゴルフのスキルは生かせませんが、職場の仲間に僕の熱意は伝わっています。スポーツをプレーするとき、継続してより良くプレーする方法を模索しますからね。僕は常に予想を上回る成果を上げようとトライしているのです」。

「アスリートは自身を鼓舞するのがとても上手いものですし、特に自分自身の目標を定める個人スポーツをプレーする場合はそうですよね。僕は毎日、“どうしたらもっとゴルフが上手くなるか”を考えていますが、同じようにこの仕事でも、“どうしたらこの機械をより良く動かせるか”と考えています」。

タイリーは現在、小学校の先生をしている妻が仕事に出ている際は家で幼い2人の子供たちに勉強を教えつつ、工場のシフトに入るという二足のわらじを穿いているが、ゴルフで競い合う日々が戻ってくるのを心待ちにしている。

「もう長いことプレーしていないので、ゴルフの虫が騒いでいますよ。競技の場へ出る準備はできています。自分自身をプレッシャーに晒すあの感じや、プロゴルファーとして生計を立てていくあの競争的な部分が恋しいですね」。

「またプレーできるようになれば、目標はその時に考えますが、今はとにかく機械と真剣に向き合うことにします」

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