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「なんて素敵なこと」 欧州ツアーで優勝したアマチュア選手
2020/04/08 18:11
パブロ・マルティン・ベナビデス: ポルトガル・オープン(2007年)
これまで欧州ツアーの歴史のなかで3人のアマチュア選手が大会制覇を果たしており、その勝利は2007年から09年の3年間でのものだった。
史上初めてアマチュアとして優勝し、欧州ツアーの歴史にその名を刻んだのが、07年「ポルトガル・オープン」を制覇したパブロ・マルティン・ベナビデス(スペイン)だ。
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ベナビデスは、17歳で出場した03年「カナリアオープン・デ・エスパーニャ」最終日を首位で迎えたことで、世界の舞台にその名を売ったのだが、彼が優勝を遂げたのはその約4年後の欧州ツアー史上1145大会目のことだった。
当時20歳だったスペイン人選手は、最終日にノーボギーの3アンダー、「68」をマーク。2位に1打差をつける圧巻の勝利を遂げた。「とても嬉しいし、誇りに思います」と、その後、米国大学ゴルフでナンバーワンとなったベナビデスは述べた。
「面白いことに、僕はオクラホマ州立大学に行っていますが、スコット・バープランクも同じ大学に通っていた当時、アマチュアとしてPGAツアーで優勝しているんです。大学のコーチたちはここ3年間、そのことばかり言い続けました。コーチたちは、アマチュアとしてプロの大会に勝たなければ十分じゃないと言っていたんです。とは言え、実際のところ、若干その言葉に助けられたところもありました。冗談とはいえ助けになったんです」。
これ以前で、欧州ツアー公式大会におけるアマチュアの最高成績は、2004年「ANZ選手権」でのニック・フラナガンの3位タイだった。
ダニー・リー: ジョニーウォーカー・クラシック(2009年)
09年に18歳213日で「ジョニーウォーカー・クラシック」を制覇したダニー・リーは、当時の欧州ツアー最年少優勝記録を塗り替えるとともに、アマチュアとしてツアー制覇を果たした2人目の選手となった。
08年「全米アマチュア選手権」で史上最年少優勝を遂げたティーンエイジャーは最終日「67」をマークし、通算17アンダーとしてロス・マクゴーワン、藤田寛之、そしてフェリペ・アギラーに1打差をつけて大会を制覇した。
ニュージーランド出身のリーは、首位のマクゴーワンらの2打後方で最終日を出ると、最初の12ホールを3バーディ、2ボギーでプレーして優勝争いに踏み止まった。そして、13番と14番で連続バーディを奪って一躍優勝戦線に顔を出した。その後、16番で3.6mのパットをねじ込む大きなパーセーブを見せると、17番と18番で連続バーディを奪って初優勝を遂げた。
大会後、リーは「優勝を夢見てはいましたが、目標は2ラウンドして予選を通過し、トップ20あるいはトップ10入りすることでした。欧州ツアーで優勝するなんて、自分はなんて素敵なことをやり遂げたのだと思います」。
シェーン・ローリー: アイルランドオープン(2009年)
リーによる欧州ツアー初優勝からわずか12大会後には、シェーン・ローリーがその足跡を辿り、ツアーで史上3人目にして今のところ最後となっているアマチュア優勝を果たした。
土砂降りの雨のなか、地元ギャラリーの前でローリーはプレーオフ3ホール目でロバート・ロックを退けて2009年「アイルランドオープン」を制覇。欧州ツアー初出場で優勝を遂げた最初のアマチュア選手となった。またプロを含め、欧州ツアー初出場で初勝利を遂げたのは、彼が史上6人目だった。
劇的な展開だった。2日目を終えて首位に立った22歳は、ロックと首位タイで並んで最終日を迎えるも、72ホール目で初タイトルのかかった1.2mのパットを外すという集中力のレッスンを受けた。
しかし、ロリー・マキロイから激励の言葉を受けたローリーは持ち直した。プレーオフ1ホール目でロックが3mのウィニングパットを外し、2ホール目をバーディで分けると、3ホール目でロックがパーセーブに失敗。これにより、ローリーはタップインで勝利をものにした。
「今の思いを言葉で説明することはできません」と当時ローリーは述べた。「ここでは招待選手として出場したので、とにかく予選を通過したいと思っていました。しかし、金曜に『62』をマークしたことで、勝てるかもしれないと感じました」。