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小林至博士のゴルフ余聞

初めての連載コラムは「パーゴルフ」だった

2021/05/29 12:03

「週刊パーゴルフ」が休刊することになった。紙媒体の休刊は近年、珍しいことではない。DX(デジタル・トランスフォーメーション)が進む中、電車で雑誌や新聞などの紙媒体を読んでいる人は少なくなった。「情報メディア白書2020」によれば、紙媒体雑誌の市場はピークだった1996年以降、下降曲線を描き、発行部数は51億冊から18億冊に、売上高は2兆1000億円から1兆円へと縮小している。

諸行無常、全てのものに終わりは来る。パーゴルフにもその時が来たということだが、寂寥(せきりょう)感は「GORO」とか「スコラ」とか、青春時代に愛読していた雑誌が消える以上のものがある。なぜならパーゴルフは、私に初めて連載コラムを持たせてくれた、いわば、物書きとしての出発点だったからである。

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それまで、プロ野球選手時代を総括したような短期連載は書いたことはあったものの、毎週、連載コラムを発表するという場を与えてくれたのは同誌が初めてだった。『小林至のフロリダ便り』のタイトルで、主として米国ゴルフ事情について、1996年から2000年にかけて全168回続いた。

振り返ってみると、冒頭に記した通り、当時は、紙媒体の雑誌の黄金時代だった。例えば原稿料は、新参者の私でも、1ページ1200字のコラムの対価は3万円。人気の書き手ともなれば1ページ10万円超も珍しくなかったと聞いている。今はその半値に届けばいい方である。「それって、小林の文章の価値が低くなっているだけじゃないの」と言うなかれ。そうかもしれないが、その是非はここでは論じない。あくまで全体の相場観であるし、ある種、デフレニッポンを象徴する話のようにも思える。

「週刊パーゴルフ」と「週刊ゴルフダイジェスト」の、ナンバーワンゴルフ週刊誌を巡る争いも熾烈(しれつ)だった。フロリダ州オーランドに開設したばかりの「ザ・ゴルフ・チャンネル」に就職した折に、ゴルフダイジェストが特集記事を組んでくれるというので、喜々としてインタビューを受けた。校正も終わり、掲載の知らせを待っていたら、「パーゴルフで連載をしていることを知らなかった。編集会議で、ライバル誌への寄稿者を宣伝するわけにはいかないとの結論。申し訳ない」

パーゴルフは、私が連載していた当時は学研(現学研ホールディングス)が発行していたが、2009年に独立。いち早くFacebookに公式ページを開設するなどデジタル時代への適応も成し遂げているかに見えたが…。コンテンツそのものを売る時代から新たなプラットフォーム時代への適応はできなかったということだろう。

一方、当時ライバルだったゴルフダイジェストも、月刊誌、週刊誌の売り上げはご多分に漏れず青色吐息と聞くが、本サイトを運営する株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインの筆頭株主だ。GDOの愛称で親しまれている本サイトは、コンテンツ発信による広告事業だけでなく、ゴルフ場予約やゴルフ用品ECなど様々なサービスで稼ぐゴルフのプラットフォーマーとして、いまや東証一部上場企業である。好む好まざるにかかわらずDXは進む。パーゴルフの休刊ニュースにつけ、改めてそう思う。(小林至・桜美林大教授)

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小林至(こばやし・いたる)
1968年生まれ。江戸川大学教授を経て、2020年4月から桜美林大学(健康福祉学群)教授。92年、千葉ロッテにドラフト8位で入団。史上3人目の東大卒プロ野球選手となる。93年退団。翌年からアメリカに在住し、コロンビア大学で経営学修士号(MBA)取得。2002年から江戸川大学助教授となり、05年から14年まで福岡ソフトバンク球団取締役を兼任。「パシフィックリーグマーケティング」の立ち上げなどに尽力。近著に『スポーツの経済学』(PHP)など著書多数。

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