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2013年 全米オープン
期間:06/13〜06/16 場所:メリオンGC(ペンシルベニア州)

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート2013<5>】

昨日の午後組がサスペンデッドになった影響で、藤田さんの今日のスタートは夕方の4時47分でした。日本の感覚なら“薄暮プレー”みたいに感じるでしょ。でもね、こっちは陽が長いから夕方の6時、7時なんてまだまだ明るいんですよ。

トータル6オーバーで、1番ホールからスタートした藤田さん。いきなりスタート直後の1番、2番で4メートル前後のパーパットを残す大ピンチを迎えたんですが。そのパットを2つともど真ん中から決めて苦しい立ち上がりを耐えました。

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その後、前半最大の難所でもある5番のミドルホールでティショットをクリーク(川)に入れてしまったんですが、3番ウッドで放ったサードショットでグリーンを捕え、ボギーで切り抜ける事が出来たのも大きかったですね。

この5番ミドルホールは本当にやっかいなんです。フェアウェイからグリーンまでが限りなく左に傾斜していて、その左サイドにはホールと並行してクリークが流れているんです。
ずっと続くフェアウェイの左傾斜はマスターズの13番もそうだからまだ納得は出来るんだけど、こここのグリーンの左傾斜はもはや度を超えています。

練習日に僕はいつも、ここら辺に切ってくるだろうと思う位置に仮想のカップを置くんだけど、ここだけはどこにも置けないくらいグリーン上全部の傾斜がきつかったんです。そんな傾斜のところにもちろん本番はカップをきってくるわけだから、だいたい皆さんも想像できるのではないでしょうか。

藤田さんの飛距離で、風にもよるけどだいたいセカンドショットは230ヤードぐらい残るかな。左に傾斜したフェアウェイから、それだけの凄い左傾斜のグリーンに向かって、3番ウッドか5番ウッドで打っていくんです。直接グリーンに落ちたら半分の確率でクリークへ。だからセカンドショットは、右手前のフェアウェイに落として、そこから転がしてグリーン上に止めなければいけないんですから。

話が少し脱線しましたが、そこをボギーで切り抜けた事によって、気持ちも切らさず残りのホールに挑む事が出来ました。次の7番ホールから13番までは全てパーオン。そのうち1つでも決める事が出来たら少しは楽になったんだろうけど、ここはまずパーセーブする事が大変なので、贅沢は言えませんね。14番ホールのセカンドショットを打ち終えた時点で、日没サスペンデッド。

その時、時計は夜の8時半でした。明日はそこから残り5ホール。藤田さんのトータルスコアは今8オーバーで、予想カットラインも8オーバーといったところです。

大雨の影響でいつもの「全米オープン」とは全く違う、柔らかくて止まるグリーンなのに、ここまでアンダーパーで回ってる選手はたった2人しかいません。練習日に一緒に回った全く曲がらないジム・フューリックは2日間トータル16オーバー。そんな恐ろしいメリオンの上がり5ホールに明日藤田さんは武器無しで挑みます。

僕らの中だけに永遠に残る、伝説の5ホールにしてきますから。

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