61歳で死去したチラハンさん（提供：アジアンツアー）

アジアンツアー元会長、キー・チラハン（Kyi Hla Han）さんが今月19日、がん治療の合併症のためシンガポールの病院で死去した。関係者は61歳で他界したミャンマーの英雄との別れを惜しんだ。

チラハンさんは1961年2月13日、ミャンマー・ヤンゴン生まれ。1980年にプロ転向し、94年「シンガポールオープン」や99年「ボルボ・チャイナ・オープン」などで優勝した。95年に発足したアジアンツアーで初年度からプレー、99年には賞金王に輝くなどプロとして通算10勝を挙げた。ミャンマー代表として5回のワールドカップに出場している。

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アジアンツアーのコミッショナー兼CEOであるチョー・ミン・タント氏は、「アジアンツアーの全員が今感じている喪失感を表現する言葉はほとんどない」と悲しみに暮れ、「何よりもまず、この大変困難な時期にある彼のご家族に心からお悔やみを申し上げるとともに、祈りを捧げます」と述べた。

チョー氏によると、今年1月の「SMBCシンガポールオープン」（シンガポール）の会場に姿を見せていたといい、「アジアのゴルフ界は、偉大な選手、偉大な人格、そして偉大なリーダーを失いました。我々は彼を永遠に忘れないだろう」と惜しんだ。

チラハンさんは2004年に引退すると、06年にはアジアンツアーの会長に就任し、同ツアーの急速な拡大をけん引した。チョー氏は「アジアンツアーの運営に携わる私たちの師であり、私たちの人生とキャリアに大きな影響を与えた。彼は常にアジアンツアーとそのメンバーを第一に考え、アジアのゴルフが世界の舞台で台頭することに強い情熱を持っていた」と振り返る。

アジアゴルフの旗手でありながら、ゴルフ以外ではのんびりと面白く、人気のある人物だったという。家族、音楽、そしてアウトドアをこよなく愛した。カリスマ性を持ちながら、アドバイスが必要な人にはいつも時間を割き、時には自宅にも迎え入れたそうだ。

アジアンツアーのボードメンバーで、親友でもあるドミニク・ブーレ氏は、「彼が出会ったすべての人に残した印象がいかに大きかったかを物語っている。背は小さいが、大きなゲームと大きな心を持った彼は、男性が求める最高の、忠実で、協力的で、寛大な友人だった。 彼の永遠の楽観主義と笑いは、私たち全員にとって損失だ」と語った。

昨年、60歳の誕生日を迎える前夜、アジアンツアーの取材に応じたチラハンさんは「私は10歳のときからプロゴルファーになりたいと思っていた。大好きなスポーツを追求することができて、とても幸運だった。世界中を旅して、新しい人々に出会い、多くの友人を作り、たくさんの素晴らしいトーナメントやゴルフコースでプレーすることができた」と語っていたという。

チョー氏は、「私たちは彼の遺志を継ぎ、彼が人生を捧げたアジアンツアーを誇りに思ってもらえるよう努力する」と誓うとともに、ツアーは、アジアのジュニアとゴルフスポーツの発展を支援するため、チラハンさんに敬意を表して、「チラハン フューチャーチャンピオンアワード」の創設を予定している。