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アジアで見つけた天職 スコット・ヘンド物語/アジアンツアー公式

スコット・ヘンド(オーストラリア)は、今月末に“UKスイング”として再開する欧州ツアーの準備をしながら、自宅のあるフロリダにいる(※編注:7月9日時点)。アジアンツアー10勝を誇り、9月に行われる「全米オープン」に4度目の出場を予定している彼は、旅立ちを心待ちにしつつ、多くの出来事を思い起こしながら、アジアで勝利を重ねる自身のキャリアについてサイモン・ウィルソンに語った。

オーストラリアで育ったスコット・ヘンドは、初めてゴルフで生活をしていこうと考え始めた時のことをこう振り返る。「ただ、ゴルフで生活ができればいいと思った。勝つことや、どれだけ勝てるかなんて考えもしなかった。ただ、世界中のゴルフ場でプレーしたかった」。

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たぶん、それは慎重な楽観主義なのかもしれないが、どんな戦略だったにせよ、その目標、いやそれ以上を彼は達成し続けた。

もしそのときに「アジアンツアーで最も成功したプレーヤーになりたい。10勝したい。欧州ツアーやオーストラリアで勝利したい。PGAツアーでプレーしたい。母国のためにオリンピックでプレーしたい」と言っていたら、彼はゴルフ界の預言者になっていただろう。それらはすべて達成されてしまったのだから。

率直に言ってしまえば、このオーストラリア人は、まず間違いなく過去13年間のアジアンツアーで最も成功した選手であり、常に賞金ランキング上位に居座った。

2016年に彼はオーストラリア人として初の賞金王となったが、他にも2013、15、19年と3度2位になっている。さらに言えば、2007、09、14、17年と4位も4度あるのだ。

そして、2019年3月にマレーシア「メイバンク選手権」でアジアンツアー10勝目を上げた時、彼は生涯獲得賞金ランキング2位に浮上した。

彼は現在も生涯獲得賞金5,084,342ドルで2位につけ、ツアー通算13勝を誇るタイの先駆者トンチャイ・ジェイディーの5,744,337ドルに続いている。

もともと球を驚異的に遠くまで飛ばす能力を持っていたが、彼はその生来のパワーをコントロールして破壊的な効果を生み出し、世界のベストプレーヤーたちを打ち負かしてきた。

「僕がゴルフを教わったとき、できる限り強くボールを打つように言われた」と、2016年のリオ五輪でマーカス・フレーザーとともにオーストラリア代表になったヘンドはいう。

「ゴルフをプレーし始めた頃から、十分なヘッドスピードを出すことができたのは幸運だった。誰もができることではない。比較的、怪我なくできていることもラッキーだ。だけど最近では若い選手たちに混じると飛ばし屋というよりも平均的な飛距離だね」

このオーストラリア人は2012年に活発な甲状腺を除去する手術を受けた――ときに激情しやすい性格だったが、彼はこの手術がプレーの助けになったと感じている。

しかし現在は、新型コロナウイルスの感染拡大のために世界中でさまざまな制限があり、彼のプレースケジュールも中断したままだ。

「間違いなく、この26年間で最も長いオフだね」とクイーンズランド出身の46歳はいう。

「問題ないけれど、同時にフラストレーションもある。トーナメントでプレーできないということは、僕にとってはかなりイライラすることだ。我々ができることはなにもない。選手ならば6週間や7週間、怪我で戦線離脱することはあるけれど、4ヶ月というのは永遠に感じるよ!」

彼は3月初旬の「コマーシャルバンク・カタールマスターズ」に出場したが、怪我により棄権を余儀なくされ、治療のためバンコクに戻ることを決意した。

彼の妻・リアンとティーンエージャーの双子、アストンとマクラーレン――そう、彼は速い車が大好きだ――が、3月20日に合流したが、彼らが到着したちょうどその日にアジア全域が基本的にロックダウンした。

彼らは新しいチケットを買って2003年から拠点にしているフロリダの自宅に帰るまで、2ヶ月間をそこで過ごすことになった。

彼は言う。「友達のアパートに滞在する生活が終わり、ようやく家に帰れると思ったよ」

「欧州ツアーがUKスイングで再開することをアナウンスしてから、この2週間半の間は毎日球を打って調子を戻そうとしている。球を打つこととゴルフをプレーすることは2つの根本的に異なることだ。実際コースに出てプレーするときが興味深いね」とヘンドは続けた。

彼は7月17日に英国に飛んで6週間を過ごす予定で、現地で過去7年キャディを務める元ツアープロのトニー・キャロランと合流する。

その後、彼らはアメリカに戻って、9月17日から20日まで、ニューヨーク州ウイングドフットGCで開催され、自身4度目の出場となる「全米オープン」の準備をする。

彼らは自主隔離しないといけない場合に備えて、米国に大会2週間前に戻ることにしている。

第120回「全米オープン」は、2019年のアジアンツアー賞金ランキング上位1人に出場枠を割り当てている。賞金王ジャズ・ジェーンワタナノンドは3月時点の世界ランキングで出場権を確保しており、2位のヘンドが2004年にメジャーデビューを果たした大舞台の出場権を手に入れた。

「とてもクールだね。最後にウイングドフットをプレーしたのは、ジェフ・オギルビーが優勝した2006年の全米オープン。自分は32位タイだった」と振り返った。

正確に彼がいつアジアンツアーに戻ってプレーできるかは、状況がより明確になるこの先の数ヶ月で決まるだろう。

彼がアジアで過ごした期間は豊かな実りをもたらした。プレーに関する自信を徐々に勝ち取り、ツアープロとしての成功の拠点になった。

キャリア初期、彼は2002年「ヴィクトリアオープン」で優勝するなど、何年もカナダツアーでプレーをした。2004年にPGAツアーでプレーすることを決意し、フロリダに家を買い、彼いわく「そこに店を開いたんだ」

しかし、2シーズンを過ごしたあと、怪我(手首)とまずいプレーが原因でシード権を失ったため、彼は極東に目を向けて、2006年のアジアンツアーQTに挑戦した。

「(QTでは)ベン・レオンに次いで2位だった。2006年12月に子供たちが生まれて、そのままパキスタンに直行して2位となり、それからアジアンツアーの“幸福な日々”が始まった」とヘンドは言う。

初優勝は2008年「プルタミナ・インドネシア・プレジデント・インビテーショナル」で、直近優勝は2019年「メイバンク選手権」だ。

2013年は好調で、「チェンマイゴルフクラシック」、「マーキュリーズ台湾マスターズ」、「ベネチアン・マカオオープン」の3勝を挙げた。

しかし、彼は欧州ツアー共催で、初めて同ツアーの出場権も獲得した2014年「香港オープン」での優勝を最も素晴らしい勝利に挙げる。同時に彼は、長い歴史を誇り、歴代優勝者に数々の偉大なオーストラリア人たちの名を刻む大会での勝利をとても光栄に感じている。

「アジアにはたくさんの友人がいる。人々が好きだし、食べ物が好きだし、ゴルフコースは自分が育ったオーストラリアによく似ている。芝がとても似ているんだ。違う世界にいるという気がしない。オーストラリアはアジアにとても近いから、よく似ている」とヘンドは言う。

2016年と2017年の「オメガ・ヨーロピアン・マスターズ」では優勝目前に迫ったが、それぞれアレックス・ノレン(スウェーデン)、マシュー・フィッツパトリック(イングランド)にプレーオフで惜敗した。

「最初の負けはアレックスが素晴らしいパットを決めて勝利したので、そこまで響かなかったけど、2敗目は狙ったところに打ったパットを読み違えて外したので克服するのに時間が掛かった。2敗目はとても残念だった。乗り越えて、再び良いゴルフをするまで長かったよ」

「普段こういうことはあまり引きずらないのだけど、あの負けは違った。たぶん、2年連続だったし、あの場所が大好きで、欧州ツアーでほんとに、ほんとに勝ちたいと思っていたからだろうね。2度目の敗戦は、しばらく痛みとして残ったよ」

しかし、1997年からプロ活動を続けるヘンドは、少なくとも5つのツアーメンバーとなり、世界で15勝を飾り、多くの経験を積み、キャリアについて哲学的思考を持っている。

彼は言う。「我々の職業はとても変化が激しいもので、世界中から毎年多くの選手たちが限られたスポットを得ようと集まってくるので、現実主義者でないといけない。ときには手に入れたいものを得られないこともあるけれど、そういうものだ。一生懸命努力すれば、生活する他の手段や、プレーできる他のツアーを見つけられる」

「僕はこうしてやれていて、とても幸運だ。年中飛び回って多くのものを見ている。その点で、僕の仕事はとても特別だ。そうできる十分な能力があって、とても幸運だと思っているよ」

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情報提供:ASIAN TOUR

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