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松山英樹に聞きたい72のコト 【DAY4】~PGAツアーの魅力~

<Q10:米ツアーのギャラリーは厳しいですか?>

「厳しいです。普通のショット、ただグリーンに乗っただけでは拍手をしてくれません。レベルの高いものを見続けているので、ゴルフを知っている人が多いように感じます。たとえピンに近く打てても、そのパッティングのラインが難しければ、ちっとも歓声は聞こえません。でも、本当に素晴らしいショットにはとんでもない歓声が来るので楽しい」

<Q11:試合前日などのプロアマ戦(スポンサーとの懇親ゴルフ)を通じて、日米のアマチュアゴルファーについて感じた違いはありますか?>

「アメリカでは、大会が行われる難度の高いコースを回れることに喜びを感じているアマチュアの方が多い気がします。日本では、18ホールを回りきって好スコアを出したいという意欲を持っていらっしゃることを感じます。あとはやはり、日本では選手とのコミュニケーションがより重視されているのでは」

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<Q12:シーズン終盤のフェデックスカッププレーオフは、年間王者に向けて逆転の可能性が最後まで残る方式を取っていますが、選手の立場からの考えは?>

「プレーオフ全4試合で、ファンを楽しませる、エキサイトさせるシステムは面白いと思います。賞金王を決めるだけでは、面白くないシーズンもあるかもしれないし、楽しめない方もいるかもしれない。ツアーを盛り上げる“仕掛け”は素晴らしいと思います。ただ、僕はそれでも年間王者よりも、メジャータイトルを獲りたい。賞金で言えば、フェデックスカップレースの方が高いですけど…メジャーを獲ることは歴史に名を残すことですから」

<Q13:これまで経験したアメリカでの一番のトラブルは?>

「2014年の全米オープンが終わって日本に帰るとき、パインハースト(ノースカロライナ州)近くの空港で、ワシントンD.C.行きの飛行機を待っていたんです。そうしたら出発の時刻が遅延…最初、それに気づかなくて搭乗口の近くでのんびりしていたんですけど、そこから大慌て。ワシントンまで(約580km!)車を飛ばしてもらい、なんとか帰国できました」

<Q14:目標とするメジャー制覇に向け、シーズンを通じて調子のピークを合わせていますか?>

「そうしたいんですが、まだできていないのが現状です。メジャーは常に勝ちたい気持ちでやっていますが、普段のどの試合も全力でプレーしていて、ピークの持っていき方がまだ分からない。時間が経って、慣れていくことが一番かなと思います」

<Q15:優勝を逃しても満足できる大会はありますか?>

「たまにありますね。2014-15年シーズンで言えば、BMW選手権(9月/プレーオフ第3戦)ですか。自分が求めているショット、パットの状態ではなかったんですが、その時に取り組んでいることが少しできた。『これを続けていけば勝てるんじゃないか…』と思えた試合でした。その他は…はっきり言って、あまり収穫はなかった。負けて満足できる試合は、あっても1年に1、2回なんでしょう」

<Q16:2015年「日本オープン」でアダム・スコットが「今度は英樹と遼を僕が連れてくる」と発言。現在のナショナルオープンの位置づけは?>

「アダムが僕らのナショナルオープンについて、そう思ってくれているのはうれしい。ただ、いまの僕は、フィールドに関係なく米ツアーでひとつでも多くの『優勝』を求めている。とにかく勝ちたい。だから今年も(同じ週の)米ツアーの試合を選びました。ここではどんな選手も先のシードがどうなるか分からない。僕は今季で初勝利のときのシードが切れます。僕や遼には『絶対にシードは大丈夫』という自信がまだない。(ポイントランキング)125位に入れなかったら入れ替え戦、それもダメだったら下部ツアーに回ります。だからこそ、早めにポイントを稼ぎたい。これからもっと自信が付いたら、日本オープンに出て勝ちたいという思いが湧いてくるのでは、と思います」

<Q17:米ツアーで戦う仲間たちのこと、教えてください!>

ジョーダン・スピース

「世界ランクナンバーワン。2014年の年末から覚醒した感じがします。技術的にも全部がうまいから1位になるんでしょうけど、僕には気持ちの強さが大きいように思います」
ジェイソン・デイ
「練習場やスタート前に気さくに声をかけてくれるナイスガイです。ただ集中したときは怖い雰囲気が出ますよね。実はまだ、試合では一緒に回ったことがないんです。上位の選手では彼だけじゃないかな…」
バッバ・ワトソン
「飛距離、すべてが規格外。ジェイソンをはじめ、同じくらい飛ぶ選手はまだいますけど、バッバほど大げさなスライス、フックを打つ選手はいないでしょう」
アダム・スコット
「彼もとてもフレンドリーに声をかけてくれます。でもそれって、キャディの(進藤)大典さんの影響が大きいんです。英語が決して堪能ではないんですけど、会場でいろんな人に積極的に話しかけて、僕らを溶け込ませてくれている。アダムのバハマの豪邸に招いてもらったんですけど、けた違いの大きさでした。あれは、ヤバイ…」
リッキー・ファウラー
「グッドセンスなファッション…僕には、できないっす。プレーはやっぱり思い切りがいい。構えたら迷わず“サーン!”と打つのがスゴイ。今年のザ・プレーヤーズ選手権、プレーオフでも(浮島グリーンの)17番でずっとフルスイングとか、スゴイですよね…小さい頃、モトクロスをやっていただけあって、度胸があるなあ」

<Q18:2016年に向けたオフの課題は>

「メジャー優勝の目標はもちろんですけど、まずはとにかく、どんな試合でも『勝ち』を増やしたい。ショット、パットもいろんなことに取り組んでいますけど、確信のあるものを見つけたい。この1カ月のオフは、勝つための準備期間としてすごく大事だと思います。PGAツアーでの戦いは難しいけれど、難しいから楽しくもあります。楽しいから、もっと上手くなりたいです」

松山英樹の2016年初戦は、1月28日(木)からカリフォルニア州トーレパインズGCで行われる米ツアー「ファーマーズインシュランスオープン」となる見込み。(取材・構成/桂川洋一)

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