14歳のグァン・ティンラン、史上最年少でマスターズへ!/アジアパシフィックアマチュア選手権最終日
タイのアマタスプリングCCで開催された「アジアパシフィックアマチュア選手権」最終日。中国のグァン・ティンランが通算15アンダーで初優勝し、2013年の海外メジャー初戦「マスターズ」の出場権を獲得した。また、グァンと2位のパン・チェンツン(台湾)は同年「全英オープン」へのアジア最終予選会の出場権を手にしている。
14アンダーの単独首位から出たグァンは、最終ラウンドに4バーディ、3ボギーの「71」をマーク。パンに終盤1打差まで詰め寄られたが、最終18番ホールではアプローチから2メートル強のパーパットを沈め、同大会初の完全優勝を達成した。「パン選手が良いプレーをしているのはスコアボードを見て分かっていました。でもとにかく自分のプレーに集中すること、バーディを獲ることを考えました。最後は最高のパーセーブ。パットの時は緊張しました」と、シャイな学生ゴルファーは控えめなガッツポーズで締めくくった。
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ドライバーの平均飛距離は250ヤード程度。決勝ラウンド2日間で同組となったオーストラリアの大型選手オリバー・ゴスには50ヤード以上の差をつけられた。「彼の2番アイアンでのショットは僕のドライバーより10ヤードも飛んでいた…」。だが「今週は両親がずっとサポートしてくれました。感謝したいです」。2011年の「世界ジュニア(11歳~12歳の部)」優勝、昨年の欧州ツアー最年少出場(ボルボ中国オープン)、「中国アマチュア選手権」最年少優勝など、ここ数年、天才として名を馳せてきたグァン。しかし今大会で毎日、両親とともに、どの選手よりも遅くまで練習場にいたのがこの少年だった。4歳でゴルフを始め、小学生時代から毎年夏場には家族で米国に滞在し、ゴルフとともに英会話の勉強も欠かさない。才能におぼれることなく無我夢中のまま、新しい“アジア最強アマ”となった。
1998年10月生まれのグァンは来春、2010年大会でイタリアのマッテオ・マナッセロが記録した16歳11か月でのマスターズ最年少出場記録を、14歳5か月17日と大幅に更新することになる。「ものすごく興奮しています。マスターズで一番若い選手になれるなんて。今から楽しみです。何が起こるかまったく想像がつかないけれど、良いプレーをしたいです」。中国勢のマスターズ出場は史上3人目の快挙だが、プロ転向は現状で「考えていない」とのこと。「火曜日からは学校です」と、再び日常生活に目を向けた。
なお、日本勢は3連覇を狙った松山英樹は通算10アンダーの4位。堀川未来夢が4アンダーの13位、佐藤大平が通算1アンダーの18位タイに入った。小西健太は最終ラウンドでベストスコアの「63」を叩き出し、通算1オーバーの27位。加藤龍太郎は11オーバーの43位タイで4日間の戦いを終えた。