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意志あるところに道は開ける 欧州挑戦の識西諭里「全部一人で」

日本では国内女子ツアー(JLPGA)と米女子ツアー(LPGA)の陰に隠れがちな欧州女子ツアー(LET)。しかし、2023年は31試合が予定され、賞金総額は過去最高の3500万ユーロ(約49億円)超に上る。国内ツアーとほぼ同じ規模となる欧州の舞台に、日本から識西諭里(おにし・ゆり)が新たに挑戦する。

識西は15日から26日までフロリダ州で師匠の井上透コーチらとともに合宿。23年の開幕戦「マジカルケニア女子オープン」(2月2日開幕 ケニア・ヴィピンゴリッジ バオバブコース)に向けて最終調整に励む25歳にオンラインで話を聞いた。

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「試合にたくさん出ることがこれまではなかった。せっかく参戦するからには優勝争いしたいし、結果的には優勝できたらいい」

合宿では午前9時から午後5時までコースに滞在し、ラウンドと練習を繰り返す。「ショートゲームを重点的にやっている」と持ち味でもあるショットの正確性に磨きをかけている。

「(井上コーチからは)自分の調子が悪くなると球がつかまりにくくなる。その修正方法についてアドバイスを受けています」

国内女子ツアーのプロテストに合格していないため、出場機会が限られる中、昨年は6月の海外メジャー「全米女子オープン」に日本地区予選を経て出場(予選落ち)。12月の米ツアー参戦をかけた予選会で結果を残すことはできなかったが、急きょ出場を決めた欧州予選会で切符を獲得した。

ツアーは欧州を中心にケニア、モロッコ、サウジアラビア、南アフリカ、シンガポール、インドなどでも開催される。開幕からの2試合(ケニア、モロッコ)こそ母も帯同するが、「アフリカ大陸には行ったことがありません。(基本的に)全部一人で行動しますが、治安やマラリア(感染症)などゴルフ以外の心配もあります」と心境を明かした。

また、世界を転戦する上で欠かせない英語でも苦労を重ねる。試合ごとのエントリーこそ簡単だが、「試合の要項に大事なことが英語で全部書いてある。そこのチェックとか、オフィシャルホテルの予約、送迎があるのか、その予約方法だったり、海外送金しないといけなかったり。ネットバンキングを作って海外送金するのも大変」。11月のスペインでの最終戦まで一人で手続きをこなすつもりだ。

気になるのが、ここまで縁がなかった日本のプロテスト。識西は2次予選からで、例年10月頃に開催されるが、「一応受ける予定ではあります。応援してくださる方は欧州ツアーの試合を見られないし、そういう意味で日本ツアー」と8度目の挑戦を見据える。

好きな言葉は「Where there's a will,there's a way」(意志あるところに道は開ける)。スポンサー3社に支えられてはいるが、参戦のための費用は軽く1000万円以上。多くの困難が待ち受けてはいるが、自分の未来は自分の手で切り開くしかない。(編集部・玉木充)

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