“奇人”から“超人”へ デシャンボーの2020年ぶっ飛び事件簿
ゴルフフォトグラファーが切り取った異例の一年/厳選写真で振り返る
新型コロナウイルスの影響で、2020年はゴルフ界にとっても異例の一年となりました。GDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)とともに国内外を飛び回るはずだったフォトグラファーたちにとっても、それは同じ。旅する機会は限られましたが、それでも二度と繰り返されることのないドラマの瞬間を切り取ってきました。多く見られた写真の中から、激動の一年を象徴する作品をGDO編集部が(勝手に)ピックアップしました。(文=編集部・林洋平)
悲願の女子OP制覇 原英莉花の開花
原英莉花が初めての国内メジャータイトルとなる「日本女子オープン」の優勝トロフィを持ったときに見せた笑顔。有望株がそろう黄金世代の中でエリート街道を歩んできたわけではなく、地道に自らの技術と向き合ってきました。師匠のジャンボ尾崎が認めた素質が、花開いた瞬間でした。(撮影=和田慎太郎)
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変わる世界で 金谷拓実のプロ初V
金谷拓実がプロ初優勝を挙げた「ダンロップフェニックス」のリモートによる観戦スタイルは2020年を象徴した一枚になりました。新型コロナウイルスが猛威を振るった世界の中でゴルフトーナメントもまた“変化”を求められ、日本は男女両ツアー全試合を無観客開催。静寂のゴルフ場で選手は心を奮い立たせ、熱戦を演じました。(撮影=大澤進二)
苦境の先に 渋野日向子がこらえた涙
「全米女子オープン」で惜敗した渋野日向子が涙をこらえる一枚は、苦境でも前を向き続けた彼女の1年を凝縮していました。スターになった重みを背負いながら結果が出なかった自らと向き合った日々。葛藤を乗り越えた先のメジャーで知った逆転負けの悔しさは、彼女をより強くする経験になるはずです。(撮影=中野義昌)
再開の男子ツアー 星野陸也の成長
9月になった男子ツアーの再開初戦「フジサンケイクラシック」を制した星野陸也は曇天で両手を上げました。世界の主要ツアーが先に動き始める中で、コロナ禍での中断期間は約8カ月に及びました。野球や卓球といったゴルフ以外のことからも成長のヒントを得ようと前向きに過ごした期間が報われました。(撮影=今井暖)
松山英樹”幻”の首位発進
3月の米ツアー「ザ・プレーヤーズ選手権」の第1ラウンドで見せた松山英樹のプレーは圧巻でした。コースレコードに並ぶ「63」で9アンダー。ただ同日にPGAツアーは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、このラウンドをキャンセルしそれ以降の大会中止を発表しました。幻になった首位発進。多くの人の記憶にしっかり刻まれたはずです。(撮影=田辺安啓)
朝日を背に 幻想的な一枚
「伊藤園レディス」の小祝さくらのパット練習の写真は幻想的な一枚になりました。ゴルフは朝早くからスタートするスポーツ。早朝にコースに行けば、背景にある朝日には目もくれずもくもくとボールを転がし続けるプロゴルファーの姿がたくさんあります。2021年は多くの観客が彼ら、彼女らのプレーを現地で観戦できる日常に戻ってほしいです。(撮影=奥田泰也)