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19ホールの死闘を制した金谷拓実 土壇場で「カモン!」の絶叫/全米アマ3日目

◇全米アマチュアゴルフ選手権 RD of 64(14日)◇パインハーストNo.2(ノースカロライナ州)◇No.2(7555yd/パー70)

ペイン・スチュアートの有名な銅像が見守る最終18番グリーン。金谷拓実(東北福祉大)は土壇場でマティアス・シュミット(ドイツ)に追いつくバーディパットを沈めると、「カモン!!」という叫び声とともに力強くガッツポーズ。続くエキストラホール1ホール目でシュミットを退けて、2回戦進出を決定した。

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死闘は覚悟の上だった。今年の欧州アマを制したシュミットとは、今年6月の「アーノルド・パーマーカップ」のチームメイトで、「実力は知っていたし、すごく仲の良い友だち」という間柄。「(予選の)順位が近かったので、やりたくないなと思っていた。知らないアメリカ人がよかった」というが、その願いは通じなかった。

前夜の雨の影響で、グリーンはわずかにやわらかさを取り戻した。「きのうまでは、ちょっとのミスで外れたり、落ちたりしていた。でも、きょうは止まりやすくなっていて、狙いやすくなったのはある」と金谷はいう。スタートホールの1番で、シュミットがボギーをたたいて1アップ。だが、このボギーが、この日の18ホールで2人あわせて唯一のボギーだった。

前半は金谷が2アップとリードしたが、飛距離を生かしたシュミットが5番、10番と2つのパー5で取り返すと、続く11番で連続バーディとして逆に1アップのリードを奪った。追いつけそうで追いつけない。お互いにミスの少ない息詰まる熱戦は、シュミットが最終18番まで1アップを守っていた。

「考え過ぎず、シンプルに考えていました。フェアウェイに打って、グリーンに乗せて、パットを決める」と、その心境を振り返った18番。金谷は言葉通りに4mのバーディチャンスへと運んだが、ティショットをミスしたシュミットは、約6mのパーパットを残していた。

だが、シュミットは先にこれをねじ込んだ。「入れてくるって思っていないといけないけど、本当に入れてくるかと思いました」と一瞬驚いたが、すぐに気持ちを切り替えた。「入れる、入れる、入れる」と言い聞かせた上り4mのスライスライン。思いを乗せた球は、見事にカップの底を叩いた。

エキストラホールとなった1番では、バーディチャンスにつけた金谷に対し、4打目のアプローチもピンをかすめたシュミットが帽子を取って負けを認めた。

「めっちゃ大変だったです」と振り返った金谷だが、視線はもう明日以降を向いている。「でも、ここで負けると思って最初からプレーしていたわけじゃない。あすもちゃんと36ホール(2マッチ)をやって、日曜日までプレーします」と、勝利の余韻に浸る時間は短かった。(ノースカロライナ州パインハースト/今岡涼太)

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