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涙をこらえる松山英樹 大会3連覇ならず/アジアパシフィックアマチュア選手権最終日
タイのアマタスプリングCCで開催された「アジアパシフィックアマチュア選手権」最終日。松山英樹は優勝したグァン・ティンラン(中国)と5打差の通算10アンダー4位に終わり、大会3連覇を逃した。
首位とは8打差で迎えた最終ラウンド。4日間で一番の暑さに包まれる中、午前9時過ぎにティオフした松山は出だしからギアをトップに入れた。3日間、3番ウッドでティショットを放ってきた1番からドライバーを握る積極策。2番(パー5)でグリーン手前からのピンを直撃する第3打のアプローチで最初のバーディ。さらに5番(パー3)で第1打をピン右2メートルにつけ、バーディを奪った。
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ところが続く6番で花道からのアプローチが2メートルショートすると、続くパットを外して追う立場としては痛いボギー。直後の7番(パー5)ですかさずバーディを取り返したが、グリーン上で苦しむ展開はこの日も変わらなかった。後半は11番(パー5)で2オンに成功したが、6メートルのイーグルパットを外して勢いに乗れない。結局5バーディ、1ボギーの「68」。3年連続の「マスターズ」出場権を今大会でもぎ取ることはできなかった。
ラウンド後は両目からあふれそうな涙を必死にこらえた。「伸ばさないといけないラウンドで(パットが)入らなかった。4日間、噛み合わなかったと。それで済ませてはいけないけれど…。でもこの結果なので、自分はまだまだだと思う」。この日は昨年まで使用していたパターに急遽スイッチ。しかし上位を脅かすビッグスコアにはつながらなかった。
来年4月に東北福祉大の4年生となる。昨年の国内ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」を制し、手にした2年間のシード権は来季が最終年。プロ転向時期にも注目が集まるが、「まだ分かりません。これからしっかり考えたい」と話した。来年、中国に舞台を移して行われるこの「アジアパシフィックアマチュア選手権」についても、「どっちが(14年度のマスターズ出場に)近いかということも考えたい」と再参戦する可能性も残している。
次週は8日(木)開幕の「三井住友―」にディフェンディングチャンピオンとして出場する。「練習をして、どんな大会にも勝てるようになることが、この悔しさを晴らすことにもつながるのかもしれない」。コースを去る直前、オーガスタナショナルGCのビリー・ペイン会長と再び握手を交わした松山。初めて味わう悔しさが、マスターズへの思いをまた大きくした。(タイ・バンコク/桂川洋一)