<こちらの44歳もまだまだ元気・・・! 桑原克典の生きる道>
1998年 PGAフィランスロピートーナメント
期間:07/02〜07/05 場所:白水GC(群馬)
丸山茂樹、ついに今季初優勝!
久しぶりに見応えのある試合だった。イキのいい選手、元気のいい選手が上位にズラリと並んだ。しかもバーディの大量生産。派手でいい。
しかし勝った丸山茂樹の表情はむしろ泣いているように見えた。嬉し涙というのではなく、こんなに苦しまなければ勝てない自分への腹立たしさ --- そんなふうにさえ見えた。結果的には伏兵・東聡に1打差、鈴木亨には2打差をつけての勝利だったが、その内容はほとんど0.5打、あるいは0.1打の僅差でしかなかった。
悠々の逃げきりかと思われた大詰めの16番、ドライバーを使った丸山のティショットは大きく左にそれた。しかし池に入ったとみなされての第3打が見事だった。高くボールを上げるならなんでもない距離だったが、林の中からのリカバリーは絶妙にコントロールされた低い弾道を要求する。しかも「ボギーを覚悟」という難しい11メートルのスライスラインを見事に決めてのパー。窮地からのこのパーセーブが今季初勝利、しかも公式戦の優勝を決定したと言えそうだ。
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「緊張した。最初の4ホールぐらい、変だった。マイッタ。不安になっちゃう」
不安になるというのは、いつもの自分の攻め方と違うことをしてしまうからだという。「いきなり朝から2番アイアンを持ってみたり、4番ホールにしても2番アイアン。9番はせこいスライスかけようとして右にフカしたし。変わったことをしすぎだね」
去年、この試合に破れた。その屈辱をどうしても晴らしたかった。名誉挽回。その気持ちが平常心を壊してしまった。問題の16番も「なんでもない、右に打っておけばいいのにドライバーを持ってフックかけようなんて考えてしまってダフってしまった」 その後のリカバリーも「何も覚えていない。7番で打ったということだけ」という。
「いままでの優勝のなかでいちばんダチャイ」優勝だったそうだ。しかし、なにはともあれ勝利は勝利だ。
これからはしばらく日本を留守にする。「全米プロで8位に入るようなゴルフをしてきたいですね。秋にはジョーブ選手をやっつけなきゃいけないし、来年はまたマスターズに出たいし、そう、ボクにとって一番はやっぱりマスターズ。マスターズに出れる位置にいけるよう頑張ります」