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3兄弟激突。勝利の栄冠は末の弟へ

終わってみれば今年のPGAチャンピオンシップ、まるで尾崎兄弟のための試合だった。順位表の1位から3位までがみんな尾崎。すごい兄弟だ。

悲願・復活優勝を狙ったジェット健夫はズルズル崩れ、追い込んできたジャンボ将司もひまひとつ迫力を欠いた。末の弟ジョーがこれも苦しみながら、しかし前半のリードを生かし、要所を抑えての69。今季2度目のV。兄二人がもつ公式戦ジャパンプロのタイトルをついに手に入れた。

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危ないシーンがいくつかあった。中でも14番ティショットが左の林に消えたときは、さすがにジョーの顔が暗くなった。これで貯金が消える。相手はジェットになるのか、ジャンボになるのか、いずれにしても苦しい戦いになる・・。

そのショットが嘘のように跳ね返っていてセーフ。「この試合に勝つにはロングアイアン、ティショット、ミドルアイアン、すべてが必要。結果ラッキーというものがない」と言う尾崎直道だが、しかしラッキーも味方につけないと勝てないのが日本プロだった。

「ジェットをアッと言わせたかった」と直道は言う。3日目はスコアボードを見たらあっというまにジェットに抜き去られていた。ショックだった。そして今日は逆の立場になった。出だしのイーグルでアニキをアッと言わせることができた。自分自身も「これでやれる!」という気になれた。

17番は前を行くジャンボがきっとバーディと思っていた。ところが思ったよりピンの近くに乗せたのが見えた。これは計算外。「入ったみたいなアクションしてたんで、え、嘘だろ、イーグルだけは勘弁してよと・・・そしたら次にギャラリーがざわめいた。まさかと思ったけどね。ジャンボがバーディも取れなかったんだ・・」

九分九厘もらった!と勝利を確信したのはこの時だったという。ジェット、ジャンボ。二人の強敵を蹴散らして、ようやく手に入れたタイトル。「5月18日は誕生日。いつもは米ツアーのコロニアルなんですが、今年は出られない。だから本当に身内だけ、家族で誕生日を迎えられます。いままでの生涯でいちばんいい誕生日かな」

このままやれば賞金王もとれそうな予感がする。そのためには米国でのツアーを減らさなければならない。板挟みの心境。今は迷いに迷っている。

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1999年 日本プロゴルフ選手権



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