全英オープンの作り方/競技委員・山中博史のロイヤルリザムレポート<5>
2001年 全英オープン
期間:07/19〜07/22 場所:ロイヤルリザム&セントアンズ(イングランド)
首位はモンゴメリー。だが、混戦状態になってきた
初日の風は消え、穏やかな天候となった2日目。順位はめまぐるしく入れ替わった。
この全英オープンの場合、ワンウェイ、すなわち全ての選手が1番ホールからスタートするので、朝一番でスタートした選手がホールアウトしてもまだ、スタートすら迎えない選手もいる。1日の中に「四季がある」と言われる英国のゴルフ場の場合、その気象条件がスコアに大きな影響を与えることもある。
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この日スコアを伸ばしたのは、いずれも早い時間にスタートした選手だった。まず、2アンダーグループからスタートしたJ.パーネビックが6アンダーのC.モンゴメリーに追いつくと、今度はJ.オギルビーが7アンダーまで伸ばして来た。しかし、後半は共にスコアを落とし5アンダーでのフィニッシュ。
次にスコアを伸ばしたのは、パーネビックと同じスウェーデンのP.フルケ。やはり2アンダーからスタートしたフルケはスコアを伸ばしやすい6、7番ホールと10、11番で2度の連続バーディを奪い6アンダーで単独2位に浮上した。
初日6アンダーで飛び出したC.モンゴメリーは一昨年前まで7年間に渡り欧州ツアーの賞金王を守り続けたほどの実力者だが、これまでメジャーには縁がなかった。4つのメジャーのうちこの全英以外は米国で開催されるのだが、米国でのモンゴメリーはギャラリーから声援がほとんどなく、米国ではいい成績をほとんど残せていなかった。しかし、今回は地元英国ということもあり、本人も気合が入っている。
「まだ、守りに行くわけには行かない」スタート前にそう語ったモンゴメリーは、序盤から積極的なゴルフを見せた。しかし、なかなかチャンスに恵まれずスコアを伸ばせなかった。だが後半に入ると、ショットを曲げたかと思うとフェアウェイに戻ってきたり、バンカーに入りそうになったが、縁に跳ねてグリーン側の転がったりと、随所に運の強さも見せた。少ないチャンスを生かし3つのバーディを奪い前日より1打伸ばし7アンダーで首位をキープした。
初日イーブンパーと若干出遅れた感じのディフェンディングチャンピオン、タイガー・ウッズは静かなスタートをきった。序盤確実にパーオンに成功したタイガーだが、なかなかバーディパットが決まらなかった。しかし、6、7番の連続パー5で確実にバーディを奪うと、11番もバーディ。12番パー3ではバンカーにつかまりピンチになるが、長いパーパットを沈めガッツポーズが飛び出した。この日3ストローク伸ばし、通算3アンダー9位タイで決勝ラウンドを迎える。
注目の日本勢は、初日の出遅れが大きくひびいてしまった。米ツアーでの初勝利直後に英国入りした丸山茂樹は、この日イーブンパーでのラウンドとなったが、初日の5オーバーを取り戻せず予選落ちとなった。また、田中秀道らもスコアを伸ばすことができず、予選を通過したのは1オーバーからスタートし、スコアを2つ伸ばした谷口徹だけだった。