2020/02/13進藤大典ヤーデージブック

ウッズの原点リビエラ 真ん中バンカーの6番グリーンは“傾斜地獄”

リビエラCC 6番パー3 (199yd) 以前、ダスティン・ジョンソンに「世界で一番好きなコースはどこ?」と聞いたことがあります。彼が名前を挙げたのが、今週「ジェネシス招待」が行われるリビエラCC。3年前に優勝して初めて世界ランキング1位となった地でもあり、ひときわ思い入れも深いのでしょう。1926年に設立された米国屈指の名門コース。2028年ロサンゼルス五輪でゴルフ競技が実施されれば、その舞台となる予定でもあります。 トピックは、大会が今年からタイガー・ウッズの招待試合として開催されること。タイガーにとっては、アマチュアだった1992年に16歳でPGAツアーデビューを果たした“原点”です。3...
2020/02/06進藤大典ヤーデージブック

美しく、そして難しい 帝王が愛したペブルビーチの崖越えショット

ペブルビーチGL 8番パー4 (418yd) 「生涯最後のショットをするなら、ペブルビーチ8番のセカンドショットを迷わず選ぶだろう」 “帝王”ジャック・ニクラスは、かつてこんな言葉を残したそうです。開場100周年となった昨年、6度目となる「全米オープン」が開催されたペブルビーチGL。今週はトップアスリートや世界的セレブもカリフォルニア州のモントレー半島に集い、選手たちは4日間1人のアマチュアとチームを組んでプロアマ形式で戦います。2016年には東北福祉大で同級生だった岩田寛選手がフィル・ミケルソンと優勝争いを繰り広げ、僕も思い出深い大会です。 昨年、初めて撮影の仕事で行きプレーしましたが、その...
2020/01/30進藤大典ヤーデージブック

“ヒデキの庭”の17番 勇気と技術が問われる左奥ピン

TPCスコッツデール 17番パー4 (332yd) 突然ですが、2月2日(日)にはNFLの祭典「スーパーボウル」が開催されます。PGAツアー通の方なら、これだけでピンとくるかもしれません。米国最大のスポーツイベントと同週の月曜日から、ゴルフファンにとってのお祭りはすでに始まっています。ツアー随一の集客を誇る「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」。アリゾナ州の砂漠地帯にあるTPCスコッツデールには、一週間で60万人を超えるギャラリーが押し寄せます。 「松山英樹選手がメチャクチャ強い試合」として記憶しているファンの方も多いと思います。2016、17年と大会を連覇。過去21ラウンドでオーバ...
2020/01/23進藤大典ヤーデージブック

タイガー伝説が息づく地 サウス18番の2オンは鳥肌モノ

トーリーパインズGC サウスコース 18番パー5 (570yd) PGAツアーは本土に戦いの場を移し、いよいよシーズンが本格化します。今週はサンディエゴにあるトーリーパインズGC。タイガー(ウッズ)が過去7勝を誇る大会であり、全米オープンが開催された2008年は左ひざに故障を抱えながらプレーオフにもつれる死闘を制した舞台。もはや説明不要の感すらある名コースですね。 太平洋を一望できる雄大なコースはサウスとノースの36ホールあり、予選ラウンドは両コースを1日ずつプレーし、決勝ラウンド2日間はサウスのみで行われます。パブリックながら、サウスの総距離は7765yd。昨季(前年大会は7698yd)のP...
2020/01/09進藤大典ヤーデージブック

ワイアラエは左ドッグレッグ攻略が浮沈のカギ

ワイアラエCC 2番パー4(423yd) みなさま、新年おめでとうございます。PGAツアーも前週マウイ島での「セントリートーナメントofチャンピオンズ」でシーズンが再開し、今週はオアフ島で「ソニーオープンinハワイ」。いよいよフルフィールドで優勝争いが行われます。 日本人にとってもなじみ深い、会場のワイアラエCCはショットの飛距離よりも正確性が重視されます。前年のチャンピオン、ツアー屈指のショットメーカーであるマット・クーチャーのように、硬くて狭いフェアウェイ、小さいグリーンを丁寧に攻めたいところです。 2番ホールは序盤の厄介なパー4。ティイングエリアに立つと、選手、キャディはクリスマスや年...
2019/10/31進藤大典ヤーデージブック

【進藤キャディ解説】PGAツアー“最短パー4” 288ydのワナをかいくぐれ

シェシャンインターナショナルGC 16番パー4(288yd) 日本初開催となった米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」が終わりました。これ以上ないほどの盛り上がりでしたね! タイガー・ウッズがひざの手術からの復帰初戦でツアー記録に並ぶ82勝目を達成。そして、松山英樹選手も本当に惜しかった。ホームゲームの重圧を背負いながら、あと一歩というところまでタイガーを追い詰めました。敗れはしましたが、つかんだ経験も多かったのではないでしょうか。大雨というアクシデントもありながら、日曜日は2万2000人以上のギャラリーが入り、まさに日本のゴルフの歴史が変わったのではないかと思います。本当に選手、関係者のみな...
2019/10/30米国女子

“壁ドン渋野”は封印「今週はジャストタッチ渋野で」

ウィニングパットをカップに当てて入れた “壁ドン”を封印するとし、「んー、今週はジャストタッチ渋野ですね、壁ドン渋野じゃない(笑)」と爆笑を誘った。 ヤーデージブックにあるグリーンには傾斜を示す矢印を
2019/10/03進藤大典ヤーデージブック

ラスベガスのイーグルチャンス 砂漠地帯で飛距離を読め

TPCサマリン 16番パー5(560yd) PGAツアーの新シーズン4戦目は「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」。カリフォルニア州のラスベガスでバーディ合戦が繰り広げられます。2018年大会こそ優勝スコア(プレーオフ)は通算9アンダーでしたが、タイトル奪取には例年20アンダー以上が求められるコースです。 パー5での取りこぼしは避けたいところ。とくに終盤16番は風がフォローだと第2打でミドルアイアンを持てるため、イーグルのチャンスがあるホール。松山英樹選手は2014年大会で2日目から3日連続でイーグルをぶちかまし、4ラウンドで7アンダーを1ホールだけで記録しました。 とはいえ、...
2019/09/26進藤大典ヤーデージブック

フェアウェイでも左サイドNG 週末の1オンチャレンジに注目

シルバラードリゾート&スパ(ノース)17番パー4(375yd) 2019-20年シーズンがいよいよスタートしました。日本で初めてのPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」や「東京オリンピック」など楽しみな大会が目白押しの一年になりそうです。今週は第3戦の「セーフウェイオープン」。松山英樹選手、小平智選手がそろって始動します。 ピックアップしたいホールは終盤の17番。距離は375ydしかない、ツアーとしては短いパー4になりますが、緩やかな左ドッグレッグで、左サイドは高い林が壁を作っています。また、左のバンカーを超えるには310yd近く必要で、ここに入れてしまうと木々が邪魔でグリーンを狙えません...
2019/08/22進藤大典ヤーデージブック

ラストゲームのラストホール 16億円のかかるパー5を見逃すな

イーストレイクGC 18番パー5(590yd) プレーオフシリーズ最終戦「ツアー選手権」で、PGAツアーはシーズンを締めくくります。会場はアトランタのダウンタウンから東に位置するイーストレイクGC。ここをホームコースとしていたのは、「マスターズ」の創始者である伝説的ゴルファーのボビー・ジョーンズです。玄関からクラブハウスに続く道は、オーガスタナショナルGCのマグノリアレーンによく似ています。 年間王者が決まる一年の最後ですから、やはりフィニッシングホールに注目したいと思います。何といっても昨年、タイガー・ウッズが5年ぶりの勝利を挙げたシーンは記憶に新しいところ。ギャラリーがスタンディングオベー...
2019/08/15進藤大典ヤーデージブック

名門メダイナの池越えパー3 ウッズがわざと奥のバンカーに入れた過去も

メダイナCC・コースNO.3 17番パー3(193yd) 「BMW選手権」はイリノイ州を中心に、米国中西部の名門クラブを巡るサーキットトーナメント。ことしから1試合減ったプレーオフシリーズの2試合目(全3戦)になりました。舞台はシカゴ・オヘア国際空港にもほど近いメダイナCC。過去に「全米プロ」や「ライダーカップ」なども行われてきた有名コースです。 数ある難ホールのなかでも、17番(パー3)は優勝争いの終盤にドラマを演出する注目ホールです。ティグラウンドからは風の影響を受けやすい打ち下ろしで、グリーン手前がすべて池という難度の高いロケーション。プレーヤーの距離感を大いに狂わせ、長い滞空時間が緊張...
2019/08/08進藤大典ヤーデージブック

残り3ホールのはじまり 1オンチャレンジは功を奏すか

リバティーナショナルGC 16番パー4(325yd) PGAツアーはいよいよプレーオフシリーズに入ります。ことしから全3試合になり、第1戦は今後、1年ごとにニューヨークエリアとボストンで会場が入れ替わることになりました。試合後のフェデックスカップポイントランキングで下位選手が脱落していくサバイバルレースの始まりです。 今週の会場、リバティーナショナルGCでは2013年大会以来の開催になりました。ちょうど2年前、17年には「ザ・プレジデンツカップ」が行われました。当時とはホールの順番が入れ替わっているのですが、今回は16番、終盤の短いパー4をピックアップします。 325ydしかありませんから、...
2019/08/01進藤大典ヤーデージブック

バーディ必須のパー5 レギュラーシーズン最終戦は伸ばし合い

セッジフィールドCC 15番パー5(545yd) PGAツアーはいよいよ、来季のシード権も決まるレギュラーツアー最終戦となりました。来週の「ザ・ノーザントラスト」からは3試合のプレーオフシリーズとなります。一年は早いものですね。今週の会場は暑い、暑いノースカロライナ州グリーンズボロにあるセッジフィールドCC。優勝スコアは4日間で通算20アンダー前後と、例年バーディ合戦が繰り広げられています。 ピックアップしたのは15番ホール。今大会はパー5が2つしかない設定です。アウトの5番(529yd)とともに、このチャンスホールで確実にスコアを縮めないと、優勝争いにはからめない。特にサンデーバックナインで...
2019/06/13進藤大典ヤーデージブック

恐怖の109ydパー3 僕もペブルビーチで打ってみた

ペブルビーチGL 7番パー3(109yd) メジャー今季第3戦「全米オープン」がいよいよ始まります。ことしの会場はカリフォルニア州ペブルビーチGL。西海岸のサンフランシスコから車で南に2時間半ほど、モントレー半島にある、ゴルファーなら誰もが一度は訪れたい場所です。 ダイナミックな海沿いの絶景を望むホールが続くなか、やはり難しさをお伝えすべきはこの7番でしょう。世界的にも有名なパー3は、たったの109yd。メジャーで109ydしかないって驚きませんか? しかもティからは打ち下ろしがマイナス10yd入るので、実質的にはピンが手前にあるときで90ydほど。奥にカップが切られても115ydしかありませ...
2019/05/30進藤大典ヤーデージブック

“オーガスタ12番”をさらに難しく? ニクラスが仕掛けたワナ

ミュアフィールドビレッジGC 12番パー3(184yd) ミュアフィールドビレッジGCはジャック・ニクラスが手掛けたコース。まさに“帝王の庭”と呼ぶにふさわしい、ツアー屈指の難度を誇ります。松山英樹選手は2013年の対抗戦「ザ・プレジデンツカップ」で初めてここを訪れ、翌14年に米ツアー初優勝。僕にとっても忘れることなどできない場所です。 特徴あるホールが続きますが、中でも難しいのが今回の12番です。4ydを打ち下ろすパー3は、「マスターズ」のアーメンコーナーでおなじみの12番(パー3)に似た形状で、さらに何倍も難しくしたかのように思えるのです。 ティからはずっと池。グリーンの形状は横に倒した...